沖縄県内、児童虐待が1607件 2年連続で最多更新 心理的虐待が大幅増 


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 県内の児童相談所(児相)が2019年度に対応した児童虐待の件数は、速報値で18年度比46・1%増の1607件に上り、2年連続で千件を超え、過去最多を更新した。心理的虐待が18年度の734件から1102件と大幅に増加した。

 県青少年・子ども家庭課によると、19年度の虐待種別の内訳は、暴言や子どもの前で家族に暴力を振るう「面前DV(ドメスティックバイオレンス)」などの心理的虐待が最も多く、18年度比368件増で全体の68・6%を占めた。次いで直接暴力を振るう身体的虐待は18年度比87件増の284件、養育を放棄するネグレクトが同43件増の201件、性的虐待が同9件増の20件で、心理的虐待以外もそれぞれ増加した。

 心理的虐待がこの2年で大幅に増加している背景には、04年の児童虐待防止法改正で面前DVが心理的虐待に位置付けられたことや、警察からの通告が増えたことなどがあるとみられる。

 また、県によると、悲惨な虐待事件が相次ぎ、関心が高まったことで一般からの通報も増えたという。