「クルマエビは安全」沖縄県車海老漁協が強調 伝染疾病エビ大量死で


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 「全国一のクルマエビに影響がでないか」「風評被害が心配だ」。国内初となる急性肝膵臓壊死症(AHPND)の発生が大宜味村で確認されたことに、県内の漁業関係者は出荷の最盛期を迎えるクルマエビへの影響を懸念した。

 沖縄総合事務局によると、沖縄のクルマエビ生産量は1995年度に全国1位になって以来、99年度を除き1位の座を確保。19年度は速報値で485トンを生産している。

 県内の養殖用クルマエビの種苗は全て、県車海老漁業協同組合の海洋深層水種苗供給センター(久米島町)から供給されている。

 安里一月組合長は「病気に感染していないクルマエビの親から安全な種苗を作っている。沖縄のクルマエビは安心安全、無菌のクルマエビだ」と強調。「これから最盛期なのに、風評被害が出ないか不安だ」とこぼした。

 県内でクルマエビを扱う業者の代表も「沖縄のクルマエビは全国的にも評価が高い。1カ所で感染が出れば、沖縄全体で疑われる」と風評を恐れた。

 クルマエビ養殖の感染防止対策については「養殖場に外部の人の出入りを禁じるなど防止策は徹底している。県内の全ての業者が年に何回か対策の会議も開いている」と強調した。

 県漁業協同組合連合会の上原亀一会長は「県内での発生はとても残念だ。種苗を持ち込む時にしっかりチェックしてほしかった。クルマエビに影響が出ないよう防疫措置をきちんとしてほしい」と望んだ。