本島中部「惨憺たる現状」沖縄公庫の地域懇談会、企業から支援求める声


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コロナ禍の現状が報告される沖縄振興開発金融公庫の中部経済チバリヨー懇談会=20日、宜野湾市真志喜のラグナガーデンホテル

 【中部】沖縄振興開発金融公庫(川上好久理事長)は20日、宜野湾市のラグナガーデンホテルで、本島中部地域の経済代表者らと「中部経済チバリヨー懇談会」を開いた。代表者からは、コロナ禍の影響で売り上げが前年比で大幅に減少したり、人員や資機材を削減したりと厳しい現状の報告があった。

 中部観光バス(沖縄市)の島袋隆社長は、主に修学旅行のキャンセルで4~9月の売り上げが前年同期比で95%も減ったと説明した。経費削減のため、50台保有していたバスを30台に減らし、65歳以上の運転手8人の契約も打ち切ったという。

 島袋社長は「惨憺(さんたん)たる現状となっている。資金繰りの支援をぜひお願いしたい」と訴えた。

 染織品を取り扱う「染と織琉藍」(読谷村)の比嘉京子取締役は、4~6月に予定していた販売日程が全てキャンセルとなり、売り上げが落ちていると報告。コロナ禍でも新商品の開発に取り組んでいるとし、「魅力を感じられるものづくりができるのではないか」と強調した。

 懇談会では、IT関連産業に注目が高まっているほか、コロナ禍でも「ピンチをチャンスと捉えるのが大切ではないか」との意見もあった。川上理事長は「皆さんの要望にしっかり対応していく覚悟だ」と述べ、融資などで支援していく考えを示した。