最後の日々撮った「Yes」…RBC名ディレクター、故大盛伸二さん写真展 浦添


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大盛伸二さんの写真展「2020 Album“Yes”」の作品と大盛さんの妻幸江さん=21日、浦添市城間の平敷兼七ギャラリー

 琉球放送(RBC)のカメラマン、ディレクターとして数多くの報道取材、番組制作を手掛け、7月に64歳で亡くなった大盛伸二さんの写真展「2020 Album“Yes”」が21日、浦添市城間の平敷兼七ギャラリーで始まった。大盛さんが取材の傍ら撮りためたものや故郷の八重山で撮影したもののほか、昨年入院中に病院内をスマホで撮影した写真など84枚を展示する。病院での写真は大盛さん自身の影が写った作品や光の陰影を捉えた作品が目立った。11月11日まで。入場無料。

 大盛さんは大学で写真を学び、RBCで働く傍ら写真を撮影し続けていた。1年間の闘病中に撮った作品を中心にした、展示会の開催を決意していた。入院先から画像データなどを仲間に送り、展示写真を選ぶなどして準備を進めていたという。

大盛 伸二さん

 妻の幸江さん(63)は「闘病中の本人が熱望していたので、開催が実現してうれしい。自分の生きる力、希望の光として病院内での写真を撮ったのだと思う」と感慨深げに話した。

 実行委員の一人で映像批評家の仲里効さん(72)は「写真の全てを肯定するという意味で、大盛さん自身が写真展を“Yes”と名付けた。存命中の開催はかなえられなかったが、大盛さんらしさが出た写真展だ」と多くの来場を呼び掛けた。

 問い合わせは同ギャラリー(電話)090(3792)8458。