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ソニーの優位揺るがず 次なるゲーム機戦争でも


HEARD ON THE STREET


2020 年 10 月 29 日 11:14 JSTプレビュー




――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

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 次のゲーム機戦争が近づいている。「ドラゴン」が参戦するかどうかはともかく、電子機器・ゲーム製品の複合企業ソニーは再び堅調な四半期決算となり、有利な立ち位置にあるようだ。

 ソニーが28日に発表した7-9月期(第2四半期)決算は堂々たる内容だった。営業利益は前年同期比14%増と、S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスがまとめたアナリスト予想の31%減よりはるかに好調だった。

 ただ、ソニーは向こう数四半期について慎重な姿勢を示している。上期(4-9月期)のゲーム部門営業利益は前年同期比65%増加したものの、巣ごもりゲーマーの後押しがなければ成長は減速する公算が大きい。

 来月予定される次世代ゲーム機「プレイステーション5(PS5)」の発売へ向けた初期費用は利益率を圧迫する見通しだ。また、中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)に対し、米技術を使った半導体チップ購入が禁止されていることも、ソニーのイメージセンサー事業に打撃となる可能性が高い。シティの推計によると、昨年度のファーウェイ向け売上高は2900億円で、イメージセンサー売上高の約27%を占めている。ソニーは今年度の同部門の営業利益が前期比66%減になるとの予想を示した。
 




 ただ、極めて好調な四半期が続いたことで、8月に発表された会社予想は悲観的過ぎるようにみえる。ソニーは2021年3月期の営業利益予想を13%引き上げた。大幅な上方修正に思えるが、それでもなお慎重過ぎるかもしれない。PS5は飛ぶように売れる可能性が高い。それに伴い、ゲーム売上高も押し上げられる可能性がある。デジタル形式のゲーム購入が増えていることは、ソニーの利益率拡大につながる。ゲーマーに割引など特典を提供する登録制の有料サービス「プレイステーション・プラス」の業績も伸びている。

 アニメ・音楽制作を手掛ける傘下のアニプレックスもソニーを勢いづかせるだろう。アニプレックスのモバイルゲーム「Fate/Grand Order(フェイト・グランドオーダー、FGO)」は好調だ。同社が配給を支援したアニメ映画「鬼滅の刃」は今月、日本での公開早々に記録的なヒットとなっている。

 ソニーにとってこうした全てが、ゲーム機戦争の次なる段階へ向けた良い兆しとなる。米マイクロソフトとソニーは来月、共に7年ぶりとなる次世代ゲーム機を発売する。他のハイテク大手も参戦している。グーグル、アマゾン・ドット・コム、フェイスブックはいずれもクラウドゲーミングサービスを開始し、ユーザーがあらゆる端末でゲームをすることを期待している。

 従って、専用コンテンツを持つことが一段と重要になる可能性がある。マイクロソフトはそうした理由から先月、米ゼニマックス・メディアを75億ドルで買収することで合意した。ゼニマックスの子会社ベセスダ・ソフトワークスは「Fallout(フォールアウト)」や「Doom(ドゥーム)」など人気ゲームを所有している。ソニーも今年、人気ビデオゲーム「フォートナイト」を開発した米エピックゲームズを買収したが、引き続きコンテンツライブラリを拡充する必要がある。

 これまでのところ、ソニーはそつなくゲームをプレーしている。この先どんな予想外の展開があったとしても、それを追い風にできる確たる位置付けにあるようだ。




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