JTAの売上高65%減 過去最大の純損失43億円 コロナで旅客収入落ち込み 


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 日本トランスオーシャン航空(JTA、青木紀将社長)は30日、減収減益の21年3月期の中間決算を発表した。新型コロナウイルス感染拡大の影響から売り上げの8割を占める旅客収入が大きく落ち込み、売上高は前年同期比65.8%減の78億円と低迷した。大幅な減収に伴い、経常損益は62億円の赤字、純損益は43億円の赤字となった。損失計上は1995年3月期中間決算以来で、中間期として過去最大の赤字幅だった。

2021年3月期の中間決算を報告する日本トランスオーシャン航空の青木紀将社長=那覇市山下町のJTA本社

 青木社長は「需要は回復してきているが先は見通せない。固定費を抑制して収支の改善に努め、下期で黒字化を目指したい」と話した。通期の業績見通しは依然不透明で、公表できる状況にないと説明した。

 JTAは21年4月入社の新卒採用を中止し、22年以降も採用活動の再開は未定。今後も減便を続けるなど費用の抑制に取り組む。

 売上高のうち、旅客収入は前年同期比70.8%減の59億円だった。国の緊急事態宣言が発令された4月は旅客数が前年の15.7%にとどまり、5月は9.2%まで落ち込んだ。回復傾向にあった7月の旅客数は前年の55%まで持ち直したが、県独自の緊急事態宣言が発令された8月は再び24.8%に落ち込んだ。

 当初は上期だけで1万3120便を運航する計画だったが、41%(5376便)を減便した。提供座席数は前期比41.9%減の123万4千席だった。

 営業費用は前年同期比20%(35億円)減の140億円となった。減便で燃料費などの変動費が21億円削減された。残業代の抑制や賞与の減額で人件費を抑え、固定費は13億円削減した。