「移民に寛容な大統領がいい」 在米県系人から期待の声 バイデン氏勝利


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 米大統領選でバイデン前副大統領の勝利が確実となり、米国に住む県出身者や県系人からは「世界に胸を張れる大統領になって」「移民に寛容な大統領がいい」との声が上がった。両候補者の支持者の対立や混乱が続くことを懸念する声もあった。

 ハワイ州に住む県系4世の村田グラント定彌(さだみ)さん(58)はバイデン氏に投票した。「マスコミをいじめたり、けなしたりする人に大統領でいてほしくない。トランプ氏は新型コロナウイルスへの対応も鈍かった」と理由を説明する。バイデン氏には「早くコロナのワクチンを開発するなど国民を安心させてほしい。世界に胸を張れる大統領になってほしい」と期待した。「ハワイではあまり混乱はないが、娘たちが米本土にいるので心配だ」とも話し、米国民の分断が早く修復されることを願った。

 那覇市出身で、ニューヨーク市で活動する写真家の国吉トキオさん(39)は、特定の候補者を支持していなかったが「移民に対して寛容な大統領の方が助かる」と話した。バイデン氏が大統領になったことによる沖縄への影響については「トランプ氏は対中国の姿勢が強いので、万が一だが戦争の懸念があった。バイデン氏の方が戦争になる可能性が低く、沖縄にとって良いのではないか」と語った。

 大統領選で根拠のない情報が氾濫し、分断が深まったことについては「ニューヨーカーは陰謀論などは気にせず、コロナ禍でも地道な努力を続けている」と強調。「負けた側が騒いで結果が変わるなら選挙の意味がない」と指摘した。