沖縄の子牛価格2カ月連続上昇 平均66万円台 GoToで回復傾向


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 新型コロナウイルス感染拡大の影響で下落していた子牛の取引価格が回復している。19日までに県内各地で終えた11月の競り実績は、1頭当たりの平均取引価格が税込み66万3657円だった。10月の競りに比べて7万561円(11.89%)増で、2カ月連続の上昇となった。外出自粛やインバウンド需要の減少で全国的に枝肉の価格が暴落し、子牛の需要も低迷していたが、政府が打ち出した「Go To トラベル」や「Go To イート」などの消費喚起策で外食産業が動きを見せたことが要因とみられる。

 11月の競りがあった県内家畜市場7カ所のうち、最も平均価格が高かったのは、今帰仁市場で70万4542円だった。

 緊急事態宣言下の5月の競りでは、県平均の子牛価格は51万円台まで暴落した。近年、子牛価格は70万円台と高値で推移していただけに、農家の経営が圧迫された。6月以降に緊急事態宣言が解除されたことで、7月の競りでは61万円台まで回復したが、その後も9月には56万円台に落ちるなど、不安定な値動きが続いていた。

 JAおきなわ畜産部の担当者は「年末に向けて子牛の価格は高くなる傾向にある」とし、関係者は12月の競り価格に期待する。ただ、国内で新規感染者が増えていることから見通しが立てにくい状況にある。県畜産振興公社の仲村敏専務は「コロナの状況次第では楽観視できない状況だ。年末年始の巣ごもり需要の動向も注視したい」と慎重な姿勢を示した。