「知事は反ヘイトスピーチ宣言を」街宣阻止団体が那覇でセミナー


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ヘイトスピーチの定義などについて説明する師岡康子弁護士=23日午後、那覇市のタイムスホール

 那覇市役所前のヘイトスピーチ街宣に抗議する市民団体「沖縄カウンターズ」は23日、那覇市のタイムスホールで「ヘイトスピーチ・セミナー」を開いた。団体メンバーらが県内での現状や条例制定に向けた動きなどを報告。同団体の高野俊一代表は条例制定の前に「条例に先立って、玉城デニー知事が反ヘイトスピーチ宣言をしてほしい」と訴えた。

 県内では那覇市役所前で、中国や朝鮮半島がルーツの人々に向けたヘイトスピーチが6年ほど続けられてきた。今年5月以降は沖縄カウンターズら市民有志が市役所前に集い、ヘイト街宣を阻止している。

 セミナーでは、ヘイトスピーチの問題に詳しい師岡康子弁護士が講演し、ヘイトスピーチの定義などについて説明した。沖縄の米軍基地反対運動などで叫ばれる「米軍は出て行け」については、「米軍」は「アメリカ人だから出て行けという話ではない」として対象にならないとした。

 「ヤンキーゴーホーム」は、米国人らの子どもたちに向けられればヘイトスピーチになり得ると指摘した。ただ「一般的には基地反対闘争で、米軍に出て行けと使われている」として、その場合は表現の自由として許容されるとの見方を示した。

 ヘイトスピーチ解消法については、禁止条項が盛り込まれていないなど「欠陥がある」と指摘し、実際の差別解消に向けてて地方自治体などによる条例制定の必要性を指摘した。