悪ノリが犯罪に発展 モバイルプリンスの知っとくto得トーク[187]


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15日、ある人気YouTuberが警察から「殺害予告のファクスが警察署に届いた」と報告を受けたことを自身の動画で明らかにしました。

また、YouTuberの家族と勘違いされた全く関係ない家族に殺害予告や嫌がらせが発生し、警察が警護していることも分かりました。

さらに今年に入り、このYouTuberの本名を使ってさまざまな大学に「爆破予告」が書き込まれるなどの嫌がらせが行われています。

 

イラスト・小谷茶(コタニティー)

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これは10年近く前からある、特定の弁護士をからかう「ネットミーム」【※1】が基になっています。

それで悪ノリした人たちの行動がエスカレートし、弁護士への誹謗中傷、その他ターゲットへの殺害予告まで行われています。11月には爆破予告をしたとして、大学生の男が逮捕されています。

今回「勘違いから殺害予告された家族がかわいそうだ」という意見もありましたが、そもそもの問題の本質は、悪ノリがエスカレートして犯罪に発展していることなのです。

 

※1 ネットミーム … ネット上で発生した、笑える「小ネタ」「ジョーク」「ノリ」のこと。特定の人たちだけに伝わる笑いのため、使うと団結感が生まれるなどの効果があります。同時に、人をバカにする、あざ笑うミームも多いため、誹謗中傷や嫌がらせにならないよう注意が必要です。

 

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SNSや掲示板の狭いコミュニティーでは「特定の人物(あるいは団体や組織)をどれだけバカにしてもいい」というノリがあります。

それを近しい人たちで繰り返していくと、犯罪のラインを超えても罪悪感を覚えにくくなります。まさに「赤信号 みんなで渡れば 怖くない」という心理状態です。

そうならないためにも、さまざまな人と交流し、意見を見るようにしましょう。

悪ノリに引っ張られ過ぎないようバランスを意識することが大切です。

 

【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ スマートフォンアドバイザー、フリーライター。沖縄県サイバー防犯PR大使を務め、スマホやインターネットの活動講座を学校などで実施。本連載をまとめた著書「しくじりから学ぶ13歳からのスマホルール」(旬報社)も発売中。

http://smartphoneokoku.net/