大学ボウリング 沖国大女子が全日本V 大城、許田 意思疎通を密に「2人だけの世界」


この記事を書いた人 Avatar photo 田吹 遥子
女子で優勝した沖国大の大城美幸(右)と許田美香=11月30日、神奈川県の川崎グランドボウル(全日本ボウリング協会提供)

 ボウリングの第58回全日本大学選手権は11月28~30日、神奈川県の川崎グランドボウルで行われ、2人チーム戦の女子で沖縄国際大(大城美幸・許田美香)が5827点で優勝した。許田は197・10点で個人ハイアベレージ賞を受賞した。5人チーム戦の男子でも沖国大(平良直也・新垣夏輝・登川陸・中里隆和・比嘉巧真)が14678点で準優勝した。3年生の平良と大城が県内若手ボウラーの受け皿として3年前に部を発足させた。全日本大学選手権は今回が初挑戦で、快挙を達成した。大会は予選3回戦と準決勝、決勝を3日間で行い、1人各15ゲームの合計点を競った。

 【男子】
▽5人チーム戦(1人15ゲーム) (1)岡山商科大15565点(2)沖縄国際大(登川陸・比嘉巧真・平良直也・中里隆和・新垣夏輝)14678(3)青森中央学院大14540
▽チームハイゲーム=沖縄国際大1127

 【女子】
▽2人チーム戦(1人15G) (1)沖縄国際大(許田美香・大城美幸)5827点(2)東京工科大5680(3)青森中央学院大5611
▽チームハイゲーム=沖縄国際大469
▽チームハイシリーズ=沖縄国際大1310
▽個人ハイアベレージ=許田197・10

男子で準優勝した沖国大の(左から)平良直也、新垣夏輝、登川陸、中里隆和、比嘉巧真(全日本ボウリング協会提供)

<ハイライト>抜群の連係で勝利/大城・許田 普段から意思疎通図る

 3日間の合計点を競う大会で、大城美幸・許田美香組のヤマ場は2日目の予選3回戦だった。集中力を高め、周囲が気にならないほどの境地になり「2人だけの世界だった」(許田)。1位だった東京工科大を、気がついた時には追い抜いていた。

 2人は県内のベテランボウラーから事前に団体戦の戦い方を教えてもらって臨んだ。練習後は2人一緒に食事をすることで意思疎通を図った。ネガティブな発言は互いに御法度と決めるなど、普段の生活から関係性を構築した。

 コンディションやレールの相性、わずかな“ずれ”が影響を及ぼすメンタルスポーツ。試合中はスコアが伸びない時も沈まずに声掛けは絶やさず、常に話し合って状況を整理。「周りを見ていてもチームワークが1番だった」(許田)という抜群の連係で、予選3回戦で一気に95点差をつけて1位に躍り出て、その後も譲らなかった。

 大城は「初めて出た団体で優勝しかないと思っていた」と安堵(あんど)した様子だ。後輩の許田は「進学前から先輩に声を掛けてもらっていた。サポートしたいと思っていた。貢献できてうれしい」と喜んだ。

 来年2月に全日本大学個人選手権が控える。大城は「沖国大の全員で上位に名を連ねたい」とさらなる目標を掲げた。

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「喜びより悔しさ」/男子、来年の雪辱誓う

 ○…部員6人全員が県内外の大会で成績を残してきた実力者ぞろい。春に1年生が4人入部して、チーム戦出場が可能になった。3年生の平良直也は準優勝の達成感ではなく、逃した優勝に触れ「このメンバーならもっと取れた。喜びより悔しさの方が大きい」と振り返った。

 チームハイゲームを取るなど流れが来た時はスコアを伸ばしたが、1人の調子が狂うと全体にも波及した。コロナで練習がままならない時期もあり「他と比べてチーム力がまだまだだった。全体での練習量が足りていない」と厳しく反省した。

 来年に個人戦も控えているが、団体戦に懸ける思いが強い平良は「流れをつくる人、安定させる人、最後に突き放す人、それぞれの役割を出し切りたい」と来年の団体優勝を誓った。