14世紀の城壁、鍛冶場跡など新発掘 世界遺産・中城城跡の調査展示 護佐丸図書館


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鍛冶場のイメージ模型などが展示される中城城跡の発掘成果展=5日、中城村の護佐丸歴史資料図書館

 【中城】中城村教育委員会は世界遺産登録20周年を記念し、中城城跡の発掘成果展を5日から護佐丸歴史資料図書館3階企画展示室で開いている。2009~19年度の10年間の調査を公表。新たに発見された14世紀中ごろ~後半に造られた城壁や、鍛冶場跡があったと推定される調査を解説している。入場無料で20日まで。

 17~18年度に新たに見つかった城壁は、直方体に加工した石を一段ごとに高さをそろえてブロック状に積み上げる「布積み」で、一の郭北側にある。上部は15世紀前半の城壁が積まれ、外側は19世紀後半~20世紀初めの城壁に覆われていた。上部より石が緻密に組まれ、戦のない穏やかな時期に造られたとみられるという。

 中城城跡は先中城按司(さちなかぐすくあじ)が14世紀後半に四つの郭を築き、1440年ごろに移ってきた護佐丸が北の郭と三の郭を増築したとされている。村教委の渡久地真文化係長は、現在も城壁を調査中としつつ「護佐丸が通説以上の増改築をしたのかもしれない」と話した。

 新たに出てきた城壁内部からは、築城以前に堆積した黒褐色土が見つかり、13世紀後半~14世紀前半に人々が暮らしていた遺物もあった。

 渡久地係長は「中城の変遷が見え、いろいろなことが分かってきた。調査の成果を見ていただきたい」と来場を呼び掛けた。

 南の郭で数ミリ単位の遺物を調べ鍛冶場跡があったことが推定される調査や、記号が刻み込まれた「刻印石」も展示している。展示は午前10時~午後5時、火曜と17日は休館。