経済
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コロナ後にインフレ来るか? FRBには悩みの種に 【WSJ厳選記事】


HEARD ON THE STREET

By Justin Lahart
2020 年 12 月 11 日 12:16 JST 更新プレビュー




――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

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 米インフレ指標が来年上昇に向かうことはほぼ間違いなさそうだ。ただし、それがシグナルなのか、それともノイズなのか見極めることが肝要だろう。

 米労働省が10日発表した11月の消費者物価指数(CPI)は前月比0.2%上昇した。前年同月比では1.2%の上昇。物価上昇トレンドをより反映するとみられている食品とエネルギーを除いたコアCPIは前月比0.2%、前年同月比1.6%それぞれ上昇した。

 連邦準備制度理事会(FRB)が重視する商務省のインフレ指標は労働省の指標よりもやや控えめだ。したがって足元はFRBのインフレ目標2%に届く状況にない。だがそれも直に変わる可能性がある。


 前年と比べてインフレ指標の伸びが低い大きな要因は、新型コロナウイルス感染拡大の第1波に見舞われた3~5月に物価が下落したことにある。だがそれから1年後となる来年の3月以降には、前年比の上昇率が上向きそうだ。来年前半にかけての物価上昇率が月間ベースでこの11月の上昇率の半分程度だったとしても、労働省が発表するCPIは来年5月までに前年比2.6%上昇、コアCPIは2.3%上昇する見通しだ。

 だが来春は、今年の物価下落サイクルから抜け出すだけではない。そのころまでには何百万人もの米国民がコロナワクチンを接種し、暖かい季節が戻るのに伴い安全措置も緩和されるとみられる。その結果、旅行などのサービス産業を中心に需要が急増する公算が大きい。

 需要が回復すれば物価も持ち直し、インフレ率をさらに押し上げる可能性がある。航空運賃はこの11月に前年比17%下落した。来年のメモリアルデー(戦没者追悼記念日)頃の航空運賃はどうなっているだろうか。繰延需要も継続しそうだ。ワクチン接種者が増えれば、警戒心が和らいで安心するようになるからだ。結果として、各インフレ指標も当面は高止まり、FRBが重視する指標のコア指数も2%を超える可能性がある。

 だからといってFRBのスタンスが必ずしも変わるわけではないだろう。FRBはインフレ率が確実に2%を超えるまで低金利を維持するとしている。春からのインフレ指標の低さと恐らくは一時的な効果しかもたらさないであろう繰延需要の物価への効果を重要なコンビネーションとは考えないだろう。

 だがFRBを批判する人たち――最近は割と鳴りを潜めていたが――は遠からず騒ぎ出しそうだ。




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