高校でガードの才能開花、ハーパー・ジャン・ローレンス・ジュニア(福岡第一主将) 全国高校バスケ


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 史上4校目となる3連覇を狙う王者・福岡第一をゲームキャプテンとしてけん引するのは、県出身の3年生、ハーパー・ジャン・ローレンス・ジュニア(コザ中出)だ。四日市工(三重)と戦い、129―64のダブルスコアで勝利した1回戦に司令塔のガードとして先発し、15分3秒の出場で7得点、6リバウンド、10アシストの活躍。「福岡第一らしいプレーをしたら絶対優勝できる」と頂点だけを見据える。

 「リラックス、リラックス」。コート上にハーパーの頼もしい声が響く。「ウインターカップが初めてで緊張してる選手も多かったので、積極的に声掛けした」と、昨年も主力として出場した経験を生かしチームを落ち着かせた。

 力強い縦のドライブからのキックアウトや、速攻の先頭に素早く出すパスで得点を演出。自身でもミドルシュートやファウルを受けながらのレイアップなど多彩な攻めで、攻撃の起点となった。チームは4割の高確率で3点弾を沈めた。「自分は身体能力を生かした力強いドライブが持ち味。周りが外のシュートを決めれば優勝できる」と内外からたたみかけるチームオフェンスを描く。

 182センチ。コザ中時代はセンターやフォワードを担い、3年時の全中で3位に。点取り屋のエースとして大会の優秀選手に選ばれた。さらなる成長を求めて福岡第一に進学すると、井手口孝コーチにガードの素質を見いだされポジションを転向。当初は「いろいろ分からないことがあった」と戸惑いもあったが、一つ上の先輩で、前回大会ベスト5に選ばれた河村勇輝にガードとしての動きや状況判断を学んだ。

 高校最後の大会を迎えた今、改めて「福岡第一に来てよかった」と心から思える。182センチでダンクもできる類いまれな身体能力を備えるハーパー。直近の目標である大会3連覇、そしてその先へ。全国から注目を集める将来性豊かなホープの挑戦は続く。 (長嶺真輝)

福岡第一―四日市工 鋭い突破からレイアップシュートを沈める福岡第一のハーパー・ジャン・ローレンス・ジュニア=12月24日、東京体育館(日本バスケットボール協会提供)