誹謗中傷は自分に返る モバイルプリンスの知っとくto得トーク[191]


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モバイルプリンス

 

今年、インターネットの世界では「誹謗中傷」が大きな問題になりました。

今年5月、テレビ番組に出演していたプロレスラー・木村花さんにSNSで誹謗中傷コメントが多く集まり、木村さんは自ら命を絶ちました。

木村さんを誹謗中傷していた人の多くは、アカウントや投稿を削除したようです。しかし警察はページ復元ソフトなどを使い捜査をしています。

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この事件で人々は誹謗中傷の問題点を意識したと思います。

一方で、私も「質問箱」【※1】などの匿名サービスを使った、同じ学校の生徒内での誹謗中傷の相談をよく受けるようになりました。

「有名人への誹謗中傷をやめよう」とは理解できても、同じ学校の人に対する「意地悪な気持ち」からの誹謗中傷がどれだけ相手を傷つけるのかピンとこないかもしれません。

「知り合いらしい人」からの誹謗中傷や「いつでも見ているぞ」というメッセージはすごく気味が悪いものです。

本来安心できる場所も安心できなくなります。

 

※1 質問箱 … ジラフ社が提供するWebサービス。正式名称は「Peing―質問箱―」。特定ユーザーに対して、匿名で質問ができるため、憧れの人に「どんな人がタイプですか?」などと聞くことができる一方、質問形式の悪口が投稿されることも。「バカ」「キモい」などの直接的な誹謗中傷ワードは自動でブロックされますが、少しひねった言葉は質問として受け取ってしまいます。

 

イラスト・小谷茶(コタニティー)

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匿名の誹謗中傷のコメントでも「発信者情報開示」という法的な手続きで個人が特定されます。

つまり個人が特定されて名誉毀損や侮辱罪で訴えられる可能性があるということです。

結局、誹謗中傷で誰かの安心を奪うと、自分の安心も奪われるということです。

2021年はインターネットの誹謗中傷に関する法改正も進む見通しなので、より意識して使ってみましょう。

 

【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ スマートフォンアドバイザー、フリーライター。沖縄県サイバー防犯PR大使を務め、スマホやインターネットの活動講座を学校などで実施。本連載をまとめた著書「しくじりから学ぶ13歳からのスマホルール」(旬報社)も発売中。

http://smartphoneokoku.net/