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米欧アジアの製造業、12月は好調 コロナ逆風に負けず 【WSJ厳選記事】


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By Paul Hannon By Amara Omeokwe
2021 年 1 月 5 日 06:50 JST 更新プレビュー


 米欧アジアの製造業は2020年終盤に生産を拡大した。多くの経済大国で新型コロナウイルス感染者数が急増する中でも、新規受注の増加や貿易の再開が追い風になった。

 世界の製造業の回復ぶりは、人に近づかなければならないサービス業の低迷とは対照的だ。消費者が感染リスクを抑えようとし、政府が行動制限を敷く中でサービス業は苦戦を強いられている。

 このかい離した状況はワクチンが広く普及して集団免疫が獲得されるまで、21年もしばらくは続くと、エコノミストは予測している。

 アジアと欧州で4日発表された12月の製造業購買担当者指数(PMI)は、記録的な業況拡大を浮き彫りにした。同月の台湾の製造業はほぼ10年ぶりの力強さとなった。米製造業PMIも活動の拡大を示した。

 米欧でウイルスが大流行し、政府が行動制限を導入・延長したにも関わらず、メーカーは新型コロナ流行の「第一波」とロックダウン(都市封鎖)に伴う生産量の落ち込みから回復し続けた。

 調査会社 IHSマークイット が発表した12月の米製造業PMIは57.1と、11月の56.7から上昇した。同社によると、この伸びは14年9月以来の大きさ。指数は50が業況拡大・縮小の分岐点だ。

 IHSマークイットのユーロ圏製造業PMIも改善した。12月は55.2で11月の53.8を上回り、18年5月以来の高水準に達した。

 IHSマークイットの首席ビジネスエコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は「新型コロナ規制の強化にも関わらず、20年最終月の製造業の好調さは、先のロックダウン時とは大きな対比をなした。対人距離の確保を義務づける厳しい措置にサービス業が打撃を受ける中、製造業が経済に欠かせない支援役を果たしている」と述べた。

 ウィリアムソン氏は一方で、米国での新型コロナの再流行とサプライチェーン(供給網)の混乱が課題になっているメーカーもあると指摘した。例えば消費財メーカーは、消費者が財布のひもを引き締める中で受注と生産の減少を報告した。製造業全体で投入原価が跳ね上がっている。

 欧州製造業の回復は、輸出製品への他国の需要が旺盛なドイツが主導している。ドイツの12月のPMIはほぼ3年ぶりの高水準だった。

 日本も工業製品の主要輸出国だ。日本のPMIは19年4月以来の高水準に上昇した。韓国は、製造業活動が11月と同様に力強く伸びた。

 一方、中国の経済メディア「財新」とIHSマークイットによる同国の12月の製造業PMIは前月より若干下げた。輸出需要の冷え込みなどが響いた。新型コロナの流行中は防護具や在宅勤務用のハイテク製品が貿易の支柱となり、中国の世界シェア拡大に寄与した。

 PMI調査では、景気回復の持続にも関わらず世界各地で多くのメーカーが人員削減を続けている様子も浮き彫りになった。ワクチン接種が進む中でも、21年の事業展望に警戒感を持ち続けている企業が多いようだ。




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