経済
ウォール・ストリート・ジャーナル厳選記事

アップル半導体の賭け、絶妙のタイミング 【WSJ厳選記事】


HEARD ON THE STREET

初の自社開発プロセッサーを搭載したマック、販売好調

By Dan Gallagher
2021 年 1 月 13 日 07:10 JST 更新プレビュー


――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

***

 米アップルは結果的に、パソコン「Mac(マック)」の刷新に完璧なタイミングを選んだようだ。

 初の自社開発プロセッサーを搭載したマックの新製品群は11月中旬に発売された。アップルは新製品に強い自信を持ち、インテルの半導体を搭載した旧型モデルをオンラインストアから取り下げた。それは決して小さな賭けではなかった。インテルの半導体は2006年からマックの中枢部品となってきた。アップルの新たな自社開発プロセッサーは、英半導体開発大手アーム・ホールディングスの技術を基盤とする全く異なるチップアーキテクチャーを用いている。このアーキテクチャーはマックに搭載されるまで、パソコン向けとしては不人気だった。


 マックは飛ぶように売れているとみられ、パソコン販売全体で最も好調な一角となっている。調査会社ガートナーとIDCが11日公表した販売データによると、マックの販売台数は10-12月期(アップル会計年度の第1四半期)に過去最高を記録した。IDCの推計では、販売台数は前年同期比49%増の約730万台に達した。一方、ガートナーは31%増の約690万台と推計している。アップルは2018年会計年度末をもって端末の販売台数公表を停止した。それ以前でマックの販売台数が最高だったのは15年7-9月期で、570万台となっていた。

 新型コロナウイルスの感染拡大はアップルのタイミングに大きな偶然をもたらした。巣ごもり状態になった労働者や学生はあらゆるメーカーのパソコンを買いあさった。IDCとガートナーは共に、10-12月期の販売がまたも大幅に増加したと報告。IDCは合計販売台数が前年同期比26%増の9160万台だったと推計している。三大パソコンメーカーである中国のレノボ・グループ、米HP、デルの同四半期の販売台数は2桁増を記録。在宅授業による押し上げ効果を背景に、ノートPC「クロームブック」が引き続き売れ筋となった。ガートナーの推計によると、クロームブックの10-12月期の販売台数は前年同期比200%増の約1170万台に上った。

 成熟したパソコン市場の大部分において、コロナ禍によるブームが一過性であることは間違いない。その点、アップルが有利なのは、マックの中になお、自社開発プロセッサーへのアップグレードが待たれる機種があることだ。これにはデスクトップ型やプロ向けが含まれ、1~2年以内にアップルの自社半導体へ移行する見通しだ。そのため、マックは足元のパソコン人気を超える息の長い製品となる見込みが十分にある。




(c) 2021 Dow Jones & Company, Inc. All Rights Reserved Worldwide.


■ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)について
琉球新報デジタルサービスWSJ特設ページ-琉球新報WebNews購読会員なら追加料金なしに米最大の日刊経済紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)オンラインが購読できます

 



関連するニュース







  • お知らせ


  • 琉球新報デジタルサービス



  • 会員制サービス






  • 他のサービス