政治
ウォール・ストリート・ジャーナル厳選記事

バイデン政権の滑り出し、弾劾裁判が足かせに【WSJ厳選記事】


北米

上院は新政権閣僚人事案や経済対策も同時進行

By Andrew Duehren and Lindsay Wise
2021 年 1 月 15 日 08:56 JST 更新プレビュー


 【ワシントン】2度目となるトランプ米大統領の上院での弾劾裁判は、ジョー・バイデン次期大統領の就任直後のタイミングに重なることが濃厚となってきた。今後数週間に一連の政策課題に早々に着手したい民主党の足かせとなる一方、共和党にとってはトランプ氏に対する忠誠心が試される展開となりそうだ。

 上院は現在、バイデン氏が正式に就任する前日の19日まで休会となっている。連邦議会議事堂乱入を受けて、トランプ氏の弾劾訴追決議案を可決した下院民主党は、上院に対して即座に議会を再招集して、弾劾裁判に着手するよう求めていたが、ミッチ・マコネル上院院内総務(共和、ケンタッキー州)はこれを拒否した。

 マコネル氏はトランプ氏を有罪とする可能性を排除していないものの、「上院がすぐに弾劾裁判を開始しても、最終的な判断を下すのはトランプ氏の退任後になる」と述べている。

 上院の実質的な主導権を握る民主党にとって、バイデン政権の発足直後に弾劾裁判を行うことは厄介な問題となる。バイデン氏の閣僚人事案や追加の新型コロナウイルス救済策を早急に承認することを目指しているためだ。最初のトランプ氏の弾劾裁判は数週間を要し、上院議員はほぼ毎日、深夜まで本会議場内に缶詰となった。

 バイデン氏は13日、「上院指導部は、米国が直面する喫緊の課題に対処しながら、弾劾手続きで憲法上の責任を果たす方策を見いだすことを望む」と述べている。

 バイデン氏の閣僚人事案に関する公聴会は今週から始まる。アブリル・ヘインズ国家情報長官(DNI)候補は15日、上院情報委員会の公聴会に出席する予定。

 米史上4度目となる今回の弾劾裁判を巡っては、民主党はトランプ氏の言動は記録に残っており、迅速な審理が可能と主張。月内に正式に上院の実質多数派となれば、裁判の手続きに関する規定を定めることができる見通しだ。

 弾劾裁判の開始日は、下院民主党が弾劾訴追決議案をいつ正式に上院に送付するかにも左右される。党内では、上院の日程を完全に入手できるバイデン政権の発足直後まで送付を待つよう、ナンシー・ペロシ下院議長(民主、カリフォルニア州)に求める声も出ている。前回の弾劾裁判に先立ち、ペロシ氏は2件の弾劾条項の送付を数週間遅らせた経緯がある。

 ペロシ氏が19日前に弾劾条項を送付した場合、上院議員が全会一致で遅延を決めなければ、弾劾裁判は早ければバイデン氏の就任式が行われる20日にも開始される可能性がある。

 最初の弾劾裁判は、トランプ氏がウクライナに対して、バイデン親子に関して調査するよう圧力をかけたとされる問題が争われた。そして2度目の裁判は、バイデン氏が勝利した2020年の大統領選結果を覆そうと議会に乱入した群集をトランプ氏が支援したかどうかが焦点となる。バイデン氏の就任直後にトランプ氏の弾劾裁判が行われることで、政敵同士の異例の対立は新たな局面を迎える。

 先週の議会占拠事件で担ったトランプ氏の役割を巡り、共和党は「審判の時」を迎えている。だが、有罪の是非を問う政治的に極めて危険な採決で、民主党に賛同する共和党議員がどの程度出てくるかは見通せない。最新の世論調査によると、事件を受けてトランプ氏の支持率は過去最低に下がったが、共和党有権者の間ではなお根強い人気を誇っている。

 上院共和党では、マコネル氏のほか、ベン・サス(ネブラスカ州)、パット・トゥーミー(ペンシルベニア州)両氏を含む複数の議員が有罪を支持する可能性を排除していない。

 トランプ氏はすでに退任しているため、有罪となれば、トランプ氏が再び公職につけないよう、議会が立候補を禁じることも可能になる。トランプ氏は2024年の大統領選に再出馬することを検討しているとされる。下院では13日、共和党議員10人がトランプ氏の弾劾訴追決議案に賛成票を投じた。

 ただ、共和党内からはすでに、退任した大統領を弾劾する権限が議会にあるのか、疑問視する声も上がっており、弾劾裁判でもこうした主張が展開されそうだ。

 また、トランプ氏と近いリンゼー・グラム上院議員(共和、サウスカロライナ州)はFoxニュースに対して、「退任後のトランプ氏を弾劾して、米国民にとって何のためになるのか?」と問いかけ、悪い前例になるとの考えを示した。




(c) 2021 Dow Jones & Company, Inc. All Rights Reserved Worldwide.


■ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)について
琉球新報デジタルサービスWSJ特設ページ-琉球新報WebNews購読会員なら追加料金なしに米最大の日刊経済紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)オンラインが購読できます

 



関連するニュース







  • お知らせ


  • 琉球新報デジタルサービス



  • 会員制サービス






  • 他のサービス