35年越し「恩返しの柿」今年も高江小に届く 旅先の雨宿り中に給食、岐阜の男性「温かい気持ち」


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柿を手に笑顔を見せる高江小学校の児童ら(宮城達也校長提供)

 【東】沖縄県東村立高江小学校の児童らにこのほど、岐阜県から柿の贈り物が届いた。送り主は竹島喜芳さん(54)=岐阜市在住=で、35年前に訪れた旧高江小中学校の子どもたちとの交流をきっかけに、2011年から高江小学校に柿を贈り始め、今回で10回目を迎えた。

 竹島さんは当時19歳だった35年前、沖縄を歩いて旅していた際に東村に滞在した。村内で1泊した翌朝、村内を歩いていると激しい雨と雷に遭遇。心細くなっていたところに見つけた「スクールゾーン」の表記をもとに、旧高江小中学校にたどり着いた。

 体育館で雨宿りをしていたところ、教員の計らいで子どもたちと給食を食べることになった竹島さん。雑談をしながら、つかの間の交流を楽しんだ。

 2011年11月、「食べ物でいただいた恩を食べ物で返したい」との思いから旬を迎えていた柿を贈り物に選び、自らの手で同校に届けた。それから毎年柿を送り続けている。

 竹島さんは「柿を送ることで当時を思い出し、温かい気持ちになる」と語り、「高江小の子どもたちが大きくなったとき、他の人にもうれしい気持ちを伝える考えを知ってほしい」と語った。宮城達也校長は「これからも交流を続けていければうれしい」と話した。
 (下地陽南乃)