32軍壕、公開の在り方を提起 検討委員「風化進行」懸念で早期の対策必要


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32軍司令部壕保存・公開検討委員会で意見を述べる委員ら=22日、那覇市の県自治研修所

 第32軍司令部壕保存・公開検討委員会の初会合では、各分野の委員がそれぞれの見地から意見を述べた。工学が専門の委員からは早急な地盤対策の必要性を指摘する声が上がり、学術分野の委員らは公開の在り方や文化財指定について提起した。

 トンネル工学が専門の小泉淳早稲田大名誉教授は「あの地盤で1キロのトンネルは難しくない」と述べた上で「作り直すのか、当時の姿が見えるような形か。残すのは全部か、一部でもいいのかによって内容が変わってくる」と述べ、検討が重要だと強調した。「第2、3坑道はしっかりしているとのことだったので、そのまま見せるやり方もできる」と前向きな見方を示した。

 地盤工学の伊東孝琉球大工学部教授は「風化はゆっくりだが進んでいる。早く対策が必要だ。いつまでも待っていられない」として、地質や断層などの調査の必要性を訴えた。

 公開の方法については、仲泊和枝沖縄平和協力センター理事長が「誰が誰に向けてどんなメッセージを出すのか明確にするべきだ。戦争を起こした構造、体系が分かればいいのでは」と提案した。