嘉手納基地火災は有害物質の発熱が原因 ずさん管理、袋から漏れ出す 米軍調査委報告


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黒煙を上げる火災現場=2020年6月22日、米軍嘉手納基地

 【中部】昨年6月に米軍嘉手納基地内の危険物取り扱い施設で火災があり、有毒な塩素ガスが漏出した事故で、米空軍の事故調査委員会は27日までに、施設で保管されていた次亜塩素酸カルシウムが推奨されていない高温多湿の環境にさらされて発熱したという報告書をまとめ、公表した。

 施設には3万3859ポンドの次亜塩素酸カルシウムが保管されていたが、包んでいた袋が劣化して漏れ出すなど、数カ月にわたり推奨される保管基準を満たしておらず、管理もずさんだったことが判明した。

 次亜塩素酸カルシウムは高温多湿の状況で発熱する。報告書では、火災は次亜塩素酸カルシウムを有害廃棄物処理施設へ移送するため、梱包(こんぽう)作業を行っている最中に発熱して、煙を出したことに起因すると結論付けた。

 第18航空団司令官のジョエル・キャリー准将は25日、周辺自治体の首長らを基地内に招き、調査結果を報告。今後は有害物質の保管点検を強化することなどを説明したという。