「人生最高の日」具志川商、初のセンバツ決定 コロナ禍照らすニュースに沸く


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 【うるま】県勢として2001年の宜野座高校以来、20年ぶりに21世紀枠で選抜高校野球大会の出場をつかんだ具志川商業高校。決定直後、学校には祝福のメッセージなど電話が殺到した。「選ばれると信じていた」「こんなうれしいニュースはない」。新型コロナウイルス感染拡大で暗い話題が続く中、学校に届いた吉報に、保護者や学校関係者らが喜びを爆発させた。

 「21世紀枠での出場が決定しました。ありがとうございます」。29日午後3時半過ぎ、視聴覚室で待機していた具志川商業高校の川根茂森校長は、出場決定を知らせる電話を切ると集まった報道陣にそう伝え、喜舎場正太監督と握手を交わした。野球部員の保護者や関係者もガッツポーズを見せ、拳を付き合わせて喜びを分かち合った。

 授業中の校内にチャイムが響き、放送で全校生徒にも吉報が伝えられた。3階の化学教室には、クラスメートから大きな拍手を浴びてはにかむ野球部員らの姿があった。報道陣に感想を聞かれた部員は、口々に「うれしい」と述べた。県勢として20年ぶりに21世紀枠で出場する選抜大会へ、期待と覚悟をにじませた。

 元野球部主将で3月に卒業を控える安田風太さん(18)は、チームが大切にしてきた「組織力」を後輩が継承していることをうれしく感じている。「素晴らしいチームだと思う。自分たちが出場をかなえられなかった大舞台で、具商らしいプレーを見せてほしい」とエールを送った。

 「人生最高の日になった」。感極まった様子で語るのは、歴代部員が足しげく通うパーラーココの店主、比嘉織枝さん(48)。安田さんから出場決定の知らせを受け、一緒に店頭に立つ両親と涙を流して喜んだ。比嘉さんは「頑張りはずっと見てきた。野球部の大ファンとして全国での活躍を応援したい」と喜んだ。

センバツ出場を喜ぶ具志川商業ナイン=29日午後4時40分ごろ、うるま市の同校(大城直也撮影)
センバツ出場を決め、グラウンドに集まるナインらを見守る保護者(後方)ら