沖縄と北海道の離島が手をつないだ 友好の泡盛「波声」誕生 礼文町の湧き水×与那国町の酒造所


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北海道礼文町の湧き水を利用して作られた泡盛「波声」

 【与那国】崎元酒造所(崎元俊男代表、与那国町)は1月20日、町役場内で外間守吉町長に、泡盛「波声(はごえ)」(アルコール度数43度・600ミリリットル)の誕生を報告した。商品名「波声」は、北海道礼文町でニシン漁の船に乗り込む漁師たちの音頭取りの意で、島の荒々しい波のイメージも重ねて命名された。

 礼文町内の団体「島の自慢づくりプロジェクト」(柳谷裕司代表)が同酒造所に醸造を依頼。花酒(60度の原酒)に割り水として、礼文町内の湧き水を直送し使用している。

 日本最北の離島、礼文町(小野徹町長)は、与那国町と同様に一島一町の自治体。2019年11月に、両町の間で友好交流協定が結ばれた。

 販売を前に礼文島では、小売店や飲食店などの関係者に配った。飲んだ人の感想を聞いたところ「すっきりとした味わい」として評価されているという。

 この日、「波声」の完成と、誕生に至る経緯を外間町長に報告した。与那国町側からは「礼文町がこんなに力を入れているなら、与那国町も、水の輸送費など何らかの形で、協力したい」との声もあった。今後の展開として、崎元代表は「今後は、もっと度数を下げて、マイルドでリーズナブルなものをと考えている。礼文町は昆布の産地で、酒に昆布を入れる飲み方もあるようなので、そういった昆布を原料にして、昆布焼酎を作りたい」と話した。

 両島の交流と繁栄の願いが込められた、北海道礼文島の水を使ったオリジナル泡盛「波声」は、2月5日から与那国、礼文の両町内と札幌市内の「わしたショップ」で販売される。
 (村松友紀通信員)

外間守吉町長(左)に「波声」を手渡す崎元俊男代表=1月20日、与那国町役場