ボウリングの第7回県高校春季大会は20日、那覇市のスカイレーンで行われ、1、2回戦の計6ゲームの合計点で男女の頂点を競った。
男子は又吉海輝(美来工科)が1395点、女子は稲福心衣奈(中部商)が1179点で優勝を飾った。ハイゲームは男子が光崎脩(中部商)で279点、女子は稲福が249点で獲得。
ハイシリーズは男子が又吉の703点、女子は稲福の629点となった。
勝負どころで修正 又吉
5ゲーム目の前半、勝負どころが訪れる。前のゲームで273点のハイスコアを出し、トップを快走していた又吉海輝(美来工科1年)だが、レーン上のオイルが減って「曲がりが早くなり、ポケットに入らなくなった」。5投目までストライクが一つも取れない。
すかさず修正を図る。「曲がりを見やすくした」と投球に入る前の立ち位置を若干左にずらし、軌道をコントロール。2連続ストライクで息を吹き返し、最終6ゲームは278点という圧巻のパフォーマンスを披露。2位に105点の大差を付け、頂点に立った。
小学2年で競技を始め、全国経験もある。しかし、これまで「簡単なミスが多く、レーン変化に対応できていなかった」と課題を抱え、県大会の優勝は今回が初めて。1週間ほど前、所属クラブのエナジックアカデミーで構えた時と投げ終わり時の左右の位置のずれを指摘され、改善して臨んだことが奏功した。
「初優勝はうれしいというより『やっとだな』という気持ち」と、一つの節目にほっと一息。それもつかの間、「第5ゲームは自分の反省点。変化にすぐ対応できるようになりたい」と課題を口にし、成長を誓った。
(長嶺真輝)
重心安定させ我慢 稲福
「悪い時は投球の重心がグラグラする」。自らの弱点をそう自覚する稲福心衣奈(中部商2年)。160点台に落ち込んだ3、5ゲーム目で「フィニッシュを止めるようにした」と安定性を意識し、我慢のプレーで平均196・5点。2位だった昨年の悔しさを晴らした。
プロでは禁止されているメカテクター(手首を固定する補助器具)を付けずに臨んだ初めての大会。
2カ月前からの挑戦でまだ確かな感覚がつかめず「自信はなかった」と言うが「どうにか勝ち切れて、うれしかった」とほほを緩める。
プロを目指すかは「考え中」といたずらっぽく笑ったが、3月に控える全日本選手権で「入賞したい」と強い向上心をのぞかせた。