与党県議団、糸満市米須の土砂採掘予定地を視察 辺野古埋め立てに遺骨、危惧共有


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沖縄戦で住民が避難していた自然壕「シーガーアブ」の前で、与党県議団に採掘の懸念点を説明する沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」代表の具志堅隆松さん(右端)=22日、糸満市米須

 【糸満】与党県議団が22日、糸満市米須の土砂採掘予定地を視察した。予定地では沖縄戦の戦没者とみられる遺骨が見つかっており、沖縄戦で住民が避難していた自然壕(シーガーアブ)の一部が含まれていることも明らかになっている。沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」代表の具志堅隆松さんと、沖縄平和市民連絡会の北上田毅さんが中心となって現場を案内し、土砂採掘で危惧されることを説明した。

 採掘予定地の鉱山は沖縄戦跡国定公園内にあり、自然公園法で開発が規制されている。採掘権者の業者は1月に同法に基づく開発の届け出を県に提出しており、県は不備がなければ受理する方針を示している。

 具志堅さんは「これは辺野古新基地建設に向けた先行開発だと思っている。戦没者の血が染み込んだ土砂で新たな軍事基地を造ることは県民の理解を得られない」と強調した。北上田さんは他の土砂採掘地についても触れ「採掘後に埋め戻しがされていない場所もある。施業案通りに掘削されているのか。総合事務局は(施業案を)認可するだけで、その後の管理体制はずさんだ」と話した。

 沖縄防衛局が県に提出した工事の設計変更申請によると、糸満市と八重瀬町からは県内土砂調達可能量の7割に当たる約3200万立方メートルを調達する。

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