ソフトバンク・嘉弥真 年々進化する「左キラー」 目指す防御率0点台


この記事を書いた人 Avatar photo 上里 あやめ
投内連係でマウンドに立つソフトバンクの嘉弥真新也=10日、宮崎市生目の杜運動公園アイビースタジアム(ジャン松元撮影)

 鷹の“左キラー”は年々その左腕を進化させている。ソフトバンクの嘉弥真新也(31)=八重山農林高出=は4季連続の50試合登板と防御率2点台を達成。昨季は3勝1敗の18ホールド、防御率2.10は自己ベストと抜群の安定感を見せた。チームは3年ぶりのリーグ優勝、4年連続日本一を成し遂げた一方、個人的には「全体の成績は悪くないが、後半は成績が落ちたので課題もある1年だった」と冷静に見詰め直して10年目のシーズンを迎える。

 昨年の日本シリーズは、巨人の中軸、左打者に対するワンポイント起用でぴしゃりと抑える職人技でピンチを乗り切った。課題に挙げたレギュラーシーズン終盤の不調を振り払うかのような力投だったが「良い形でシーズンを終える、という気力だけで投げた」と振り返る。

 試合を決める重要な場面での起用が多いため「失投なんてできない。1球1球の精度を上げることが重要」と制球力、球威向上など凡事徹底でいざという場面に備える。今季は「最速150キロ、防御率0点台が理想」と掲げ、石垣島での自主トレにはウエートトレーニングを導入し、シーズンを戦い抜く体を作り上げた。キャンプでも調子は上々と言い「特に変えることなく、けがをせずに60、70試合と登板する」と5季連続の50試合登板へと挑む。

 7月には沖縄セルラースタジアム那覇で公式戦も控える。「しっかり0点で抑えチームを勝たせる」。地元ファンの前で登板できることを期待し、1球1球を全力で投げ込み続ける。 (上江洲真梨子)