糸満市米須の土砂採掘予定地から十数の骨片 沖縄県など戦没遺骨収集


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名護市辺野古の新基地建設埋め立て使用で批判が上がっている土砂採取場所=25日正午ごろ、糸満市米須(小型無人機で撮影)

 沖縄県と県戦没者遺骨収集情報センターは24日、沖縄戦戦没者とみられる遺骨が見つかっている糸満市米須の土砂採掘予定地で遺骨収集を始めた。県保護・援護課によると、24日は「東京の塔」の裏側斜面を中心に遺骨収集を進め、数センチの骨片が十数個見つかったという。

 県保護・援護課の担当者は「(遺骨収集の)明確な計画や期間は決めていない。調査を進めながら次の場所で遺骨収集を進めることになると思う」と話している。東京の塔の裏側では、昨年11月に沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」代表の具志堅隆松さんが遺骨を見つけた。

 同採掘予定地は沖縄戦跡国定公園に指定されており、土砂採掘業者は1月、自然公園法に基づき県に開発を届け出た。沖縄防衛局は、糸満市や八重瀬町など沖縄本島南部から土砂を採取し、辺野古新基地建設の埋め立てに使うことを計画する。

 具志堅さんらは、遺骨が土砂に混入する懸念があるとして、防衛局に計画の中止を求めている。開発届け出の受理後、知事は30日以内に禁止を命じることができると自然公園法に定めがあることから、知事に対してこの措置を講じることも合わせて求めている。

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