「女性力」取材の裏側語る 本紙連載テーマにオンラインイベント 国際女性デー


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ウェブセミナーで政治や行政分野での女性登用をテーマに語った(左から)明真南斗記者、座波幸代記者、慶田城七瀬記者。画面上は琉大法科大学院の矢野恵美教授=28日、那覇市泉崎の琉球新報社

 国際女性デーに関連したオンラインイベントが28日に開かれ、本紙の連載「『女性力』の現実 政治と行政の今」を取材する政治部の座波幸代記者と明真南斗記者、琉球大学法科大学院の矢野恵美教授が登壇した。政治分野で女性登用が進まない理由について矢野教授は、性別のみで役割を固定する「『固定的性別役割分担意識』の刷り込みがある」と指摘した。

 自治体の女性登用などを取材した明記者は「企画に関わって視点が変わった」と話した。米兵のわいせつ事件への対応を話し合う県議会の委員会で、出席者の約9割が男性だったとし「女性が被害にあった事件で女性の意見が反映されないのは不自然だ」と述べた。

 連載タイトルの「女性力」について、座波記者は「違和感があったから疑問を呈する意味でタイトルにした」と説明。取材を通して「差別する側が変わらないと問題は解決しない。みんなが当事者意識を持つことが大事だ」と語った。

 「男女を強調することで性的少数者の視点が抜け落ちるという懸念もある」と話した明記者に対し、矢野教授は、差別構造が同じであるとして「女性も性的少数者の権利も一緒に考えていった方がいい」とした。その上で「女性や性的少数者が弱いわけではない。権利面で弱くさせられている」と指摘した。

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