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中国の外国メディア攻撃に拍車、コロナ口実に報道妨害も【WSJ厳選記事】


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By Dan Strumpf
2021 年 3 月 2 日 01:32 JST 更新プレビュー


 【香港】中国外国人記者クラブ(FCCC)が公表した年次報告書によると、同国における外国人記者の報道環境が昨年、著しく悪化したことが分かった。当局による記者や取材先への嫌がらせがひどくなったほか、記者の国外追放、新型コロナウイルス禍を口実とする報道妨害といった行為が横行したという。

 FCCCによると、今回の調査対象で、前年から報道環境が改善したと回答した記者は皆無だった。

 報告書は「国家権力のすべての武器――コロナ禍で設置された監視カメラを含め――は、記者や中国人の同僚、取材を試みた情報提供者への嫌がらせか脅迫に使われた」と指摘している。

 トランプ前政権下の米国と中国の関係が昨年、著しく冷え込んだことがメディアを取り巻く環境悪化につながった。緊張が高まる中、記者はメディアを舞台とする米中の報復合戦に巻き込まれ、中国に駐在していた欧米メディア所属の記者少なくとも18人が国外追放となった。

 これにはウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)のほか、米紙ワシントン・ポスト、ニューヨーク・タイムズなどの記者が含まれる。

 中国外務省の汪文斌報道官は1日の定例会見で、FCCCの報告書は「不安をあおる内容ばかりで、完全に証拠を欠いている」と指摘。中国は法を順守して働く外国人記者を歓迎すると述べた。

 中国は2022年に冬季五輪の開催を控えており、政府と外国メディアとの関係悪化は影を落としかねない。FCCCは2008年の北京夏季五輪を利用して、外国人記者に対する広範な制限緩和を当局から引き出した経緯がある。だが、そこで得られた進展は、中国に関する否定的な報道を徹底的に封じ込める習近平国家主席の下で、その多くが失われた。

 調査によると、記者の半分以上が重要な情報源である関係筋への取材が当局による圧力で中止、あるいは撤回に追い込まれたと回答。関係筋の4割近くが、外国人記者の取材を受けたことで嫌がらせを受けるか、拘束されており、この割合は前年の25%から大きく上昇した。

 またFCCCは、コロナに関する報道がとりわけ困難だったと指摘している。コロナの感染例が最初に確認された武漢市では、取材をしようとした記者が警察から嫌がらせを受け、取材中に撮影した画像の削除を強制されたなどの事例があった。また、当局から異常なほど頻繁にコロナ検査を受けさせられ、隔離措置を使って脅された記者も出ており、いずれも報道を妨害する意図があったとみられている。




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