浦添の多重事故 ダンプカー車体に異常確認されず 沖縄県警が検証


この記事を書いた人 Avatar photo 慶田城 七瀬
車両の検証作業をするメーカーの技術者や捜査員ら=2日午後2時ごろ、本島中部

 浦添市の国道330号伊祖トンネル付近でダンプカーが中央分離帯を乗り越え鉄柱を倒壊させるなどして親子2人が死亡した多重事故で、県警は2日、自動車メーカーや沖縄総合事務局と合同でダンプカーや事故関係車両を検証した。県警によると、ダンプカーのブレーキの作動具合や運転席周辺の状況などを確認したが、車体に事故と直接つながるような目立った異常は確認されなかったという。

 2日午前9時ごろ、本島中部の車両置き場で県警の捜査員や自動車メーカーの技術者など約25人が車両を検証した。捜査員らは鉄柱に押しつぶされた車や、事故の衝撃でねじれた車の破損状況などを詳細に記録したほか、ダンプカーの車体を持ち上げハンドルの可動域やアクセル、ブレーキの作動状況を確認した。ブレーキの作動に問題はなかった。県警によると、事故現場周辺にダンプカーのブレーキ痕はなかった。ダンプカーの走行速度が記録されたタコグラフや、電子機器に蓄積されたデータなども回収した。今後、詳細な分析を進めるとしている。

 捜査関係者によると、事故当日の路面は雨でぬれた状態だったが、雨水で車両が制御不能に陥るハイドロプレーニング現象が起きた状況はこれまでの調査で確認されていない。雨による影響は考えにくく、車両からも事故を誘発するような目立った故障などは確認されていないという。

 ダンプカーは宜野湾市方面から国道330号を南下。浦添市の伊祖トンネルに近づくまでの間、走行に異常はみられなかった。トンネル付近で前方の車両をよけるように走行後、道路左の路肩に添って進行し、中央分離帯を乗り越え反対車線に進入した。県警は回収したデータの解析を進めるとともに、ダンプカーの男性運転手(60)の容体をみながら、当時の状況を詳しく聞く方針。