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コロナ禍でドライブスルー物件が一躍脚光【WSJ厳選記事】


ビジネス

By Esther Fung and Heather Haddon
2021 年 3 月 3 日 11:59 JST 更新プレビュー


 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)により、これまで見過ごされがちだったタイプの不動産が脚光を浴びている。その不動産とは「ドライブスルー」物件だ。

 フードホールやレストランは、コロナ危機に伴う度重なる入店者数制限で大きな打撃を受けている。だが、チックフィレ(Chick-fil-A)やマクドナルド、チェッカーズ & ラリーズ(Checkers & Rally’s)といったチェーン店は、ドライブスルーレーンを備えた店舗で売り上げが増加していることを明らかにしている。ドライブスルーはパンデミック下で以前より人気が出ている。

 不動産投資仲介会社B+Eのカミーユ・レンショー最高経営責任者(CEO)は「車で乗りつけることができるので、社会的距離が保てる」と指摘している。

 これまでドライブスルーというオプションを提供してこなかったレストランチェーンも、レーンを整備しつつある。シェイクシャックは今年、フロリダ州オーランドの店舗にに初のドライブスルーレーンを設置する。ニューヨークを拠点とする同社の都市部店舗はパンデミックで大きな打撃を受けた。ランディ・ガルッティCEOによると、シェイクシャックは売り上げ拡大のため郊外への進出を図っており、来年末までにドライブスルー店舗8店の展開を目指すという。

 アラバマ州バーミンガムの総合不動産業者シャノン・ウォルチャックのパートナー、デレク・ウォルチャック氏によると、不動産投資家は、現在隆盛しているドライブスルービジネスに一口乗ろうと熱心になっているという。

 ウォルチャック氏によると、ドライブスルーレーンがある物件は、ない物件に比べて一般的に10~20%賃料が高くなる。シャノン・ウォルチャックは、同社の不動産の半分をドライブスルーレーン付き、またはドライブスルーレーンが建設可能なレイアウトの物件にするため、ポートフォリオを拡大したいという。同社が管理する40物件のうち、現在ドライブスルーがあるものは7物件にとどまる。

 ドライブスルー用地はその希少価値の高さもあって需要がある。多くの自治体では、新規開発にあたりレーンに関する制限を課している。開発申請者はゾーニング変更の許可を求めることが必要になる場合も多く、交通渋滞や大気汚染の可能性に関する懸念が示された場合、許可を得るのは難しい。ドライブスルーの中には、長い車の列ができ、近隣業者から顧客が駐車場に入れないとの苦情を受けている所もある。

 ウォルチャック氏は「間違いなく供給は不足している」との見方を示している。

 商業用不動産サービス企業CBREで飲食店を専門としているエグゼクティブバイスプレジデント、デビッド・オーキン氏は、ドライブスルーレーンのある不動産はパンデミック前から確かに人気商品だったが、需要はより顕著になっていると指摘する。

 オーキン氏と彼のチームは昨年、ドライブスルー用の候補地リストを作成した。彼らはモールの所有者や不動産を自社所有している小売業者に電話をかけ、ドライブスルーレストランを設置できそうな駐車場がないか問い合わせた。同リストには、閉店したレストランも含め、現在約4000物件が挙げられているが、その多くはゾーニング変更の許可が必要となるものだ。

 既にドライブスルー頼みとなっていたレストランチェーンの中には、オンライン注文増に対応する目的もあり、一段の強化を図っている店もある。レストラン・ブランズ・インターナショナル傘下のバーガーキングは昨年9月、今後の店舗設計として3本のドライブスルーレーンを備える計画を発表した。そのうち1つのレーンは、オンライン注文客専用となる予定だ。

 チポトレ・メキシカン・グリルも同様の戦略を拡大している。同社は今年、200店舗を増設する計画で、その多くの店舗で、ドライブスルーでオンライン注文の受け取りをするオプションを顧客に提供する。同社はこのドライブスルーレーンを「チポトレーン(Chipotlanes)」と呼ぶ。

 コーヒーチェーンのスターバックスは昨年12月、ドライブスルーレーンを備えた郊外店舗を中心に、年間で約800店舗をオープンする見通しを明らかにした。同社が今年1月に公表したところによると、ドライブスルーレーンを備えた店舗の売上高は10-12月期の売上高の半分を牽引し、パンデミック前の水準から10%以上増加したという。




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