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ルワンダ産コーヒーで支援 世界の子どもに自由を Tobira Cafe・山田果凜さん<国際女性デー>


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ルワンダ産豆を使ったスペシャルティコーヒーを淹れる山田果凜さん=3日、読谷村波平のトビラカフェ

 時折見せる屈託のない笑顔の奥に、意志の強さがにじみ出る。ルワンダの子どもたちを貧困から救うため昨年9月、読谷村波平に早稲田大学4年の大下直樹さんとTobira Cafeを開いた大阪大学1年の山田果凜さん(19)=読谷村。ルワンダ産の最高級豆を使用したスペシャルティコーヒーや、同国のシングルマザーが伝統装飾を使い制作したアクセサリーを販売することで、多角的かつ継続的な支援につなげている。

 理念は「世界中の子どもたちが、自由に自分の未来を描ける社会の実現」。山田さんは自身に何ができるか、日々考えを巡らせている。

 不登校だった中学時代に経験したインドの孤児院でのボランティアや、ルワンダでの起業体験プログラムが「視野と可能性を広げてくれた」。一方で、両親が離婚し途方に暮れた際、ボランティアの人々に救われた経験もある。当事者になり、初めて受ける側の気持ちを知った。「寄り添う気持ちが誰かの心を癒やし、勇気付ける魔法になるんだって」

 単発的なボランティアでは、根本的解決に至らないと感じている。目指すのは継続的で実用的、そして価値が増える循環型の支援だ。日本の若者を巻き込み、途上国と先進国をつなぐ夢を描く。「ボランティアする側と受ける側双方が精神的、物質的豊かさを享受できる社会へ。まずは動き、共感する人とつながりたい」。19歳の挑戦は始まったばかりだ。
 (当銘千絵)