女子は与勝、男子は知念がともに初優勝 県中学生新人駅伝


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
右手を挙げて笑顔でゴールする与勝5区の安慶名心愛(右)=14日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアム(大城直也撮影)

 駅伝の第10回県中学生新人競走大会は14日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムを発着点とする特設コースで行った。男子(5区間、15キロ)は知念が50分7秒で頂点に立ち、女子(5区間、10キロ)は36分26秒で与勝が栄冠をつかんだ。いずれも初優勝。女子1区では玉城祐希(与勝)が6分45秒、大城ここの(西崎)が6分51秒でそれぞれ区間新記録で走った。

◆1秒差、薄氷の勝利/与勝 アンカー安慶名抜き返す

 ドラマは最終区間に待っていた。1区からトップをひた走ってきた女子の与勝。2位に5秒差をつけてアンカーの安慶名心愛はたすきを受けたが、数百メートルで抜かれる。「離されないように走った」と1キロ以上背中にくっつき、好機をうかがった。

 仕掛けたのは中盤をすぎた後の下り坂。一気に抜き返すと、沿道にいるコーチから「後ろを見るな」との指示。突き放すが、トラックでもう一度山場があった。2位西崎の上原徠夢が最後の直線で猛然と追い上げてきた。安慶名は1歩分ほどの差で先にゴール。「あそこまで近づいていたのはゴールした時に分かった。優勝できてうれしかった」と胸をなで下ろした。

 1区の玉城祐希が「いい場所を取りたかった」と号砲と同時に先頭に。姉妹でたすきをつないだ2区の姉、長濱ローサエレナと3区の長濱エリカマリアは首位をキープ。4区の前外間聖良も「みんなが1位で通過して、自分も頑張れた」とトップを守った。

 5人とも部活やクラブチームでバスケットボールをしており、その練習で体力を磨く。レース前から「優勝旗を持ってきたい」と決意を固めていた。ゴールテープを切った安慶名を4人が迎えると、全員の笑顔がはじけた。
 (長嶺真輝)

知念1区の富盛琉誠(後方)からタスキを受けて走りだす2区の城間大空

◆知念 2区から一人旅/下馬評通りの実力示す

 知念は1区にエース富盛琉誠をぶつけた。スタートから終始先頭に立ったが、最終盤で抜かれ2位でたすきをつないだ。しかし、記録はこの日の全選手中2位の好タイム。「最後まで走り切れて満足」と役目を果たした。

 2区の城間大空からは一人旅に。城間が2位と1分以上の差をつけると、最後までトップを守った。バスケやサッカーなど部活動もこなしながら、地元の陸上クラブチーム「なんじぃAC」で腕を磨く5人。下馬評が高い中での頂点に、アンカーの具志堅源竜郎は「気を引き締めて優勝できた」と納得の表情を見せた。