【一問一答】部活高2自殺報告書で会見 男性顧問の処分「速やかに調査に入る」


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高校生自死事案の調査概要などについて記者の質問に答える金城弘昌県教育長(左から3人目)ら=19日、那覇市の県教育庁

 県立高校で部活動主将を務める2年の男子生徒が自ら命を絶った問題で、県教育委員会は19日、「(自殺の)要因は部活動顧問との関係を中心としたストレスの可能性が高い」とする第三者調査チームの詳細調査報告書(概要版)を公表した。

 19日の県教育庁の記者会見で、主なやりとりは以下の通り。(敬称略)

―男性顧問の処分は。

 金城弘昌教育長 詳細な調査報告書が出されたので速やかに調査に入りたい。

―自殺の原因は。

 金城 部活動が主たる要因だが、ストレスが少しずつたまった上で、(自殺を図った前日の男子生徒への顧問の言動が)「最後の引き金」になった。これ以上耐えられない状況で、この言動で自死に至った可能性が高い。そう推察される。

―校長のコメントを。

 東盛敬コザ高校長 誠に痛ましく、胸が張り裂ける思いであり、心よりご冥福をお祈り申し上げ、校長として心よりおわび申し上げる。ご遺族に心よりお悔やみを申し上げ、教育活動の一環である部活動が背景となり、悲しく痛ましいことに自殺されたことに、校長として責任を痛感し、深くおわび申し上げる。

 報告書にある多くの指摘事項、学校管理体制、部活の在り方、情報共有の在り方、職員研修の在り方、推薦入試など提示された改善策に沿って検討をはじめ、学校づくりに努力する。

―LINE(ライン)の削除とは。

 金城 第三者委員が顧問の履歴を確認した。亡くなった生徒のライン履歴と合わせると、(顧問のものに)削除されていたものがある状況だった。

―削除された内容は。

 金城 確認できていない。

―顧問からどんな荒い言動があったのか。

 金城 「主将を辞めろ」「部活を辞めろ」、そういったことだ。

―特別推薦と死の因果関係について。

 玉城学県立学校教育課長 生徒が特別推薦枠で当該校に入学する際、部活を3年間継続させる旨の「活動継続確約書」を提出する。それで、部活を辞めることが退学につながるような印象を持たせてしまった。

―顧問が夜中にラインするなどの行動は行き過ぎた指導か。

 玉城 部活のストレスは一つではなく、色んなものが積み重なった。部活が終わった後も生徒にラインで連絡があり、他の部員に連絡するようにということだった。遺族によると、帰ってもイヤホンをつけ、ラインを気にしていた。ストレスとして大きかったのではないか。

―顧問は何と言っているのか。

 金城 今後の処分の中で確認していく。コメントは差し控えたい。


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