20代男性のコロナ感染際立つ 飲み会で拡大か 沖縄県専門家会議


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 新型コロナウイルス感染症対策について話し合う沖縄県の専門家会議が30日夜、県庁で開かれた。1週間を目安に感染状況を見極め、感染拡大が収まらないようであれば、地域限定の感染対策を可能とする「まん延防止等重点措置」を国に要請することも視野に入れる必要があるとの指摘も一部の専門家からあった。

 県が本島20市町村の飲食店と遊興施設に午後9時までの営業時間短縮を要請したことについて、専門家会議委員で県立中部病院感染症内科の高山義浩医師は「ピークアウトさせる(減少に転じさせる)力があるかというと、厳しいのではないかとの意見の方が多かった」と説明。感染拡大が抑えられなければ、まん延防止等重点措置を要請し対策を強化する必要があるとの意見があった。

 専門家会議では感染が際立っているのは20代男性で、飲み会で拡大しているとみられることも報告された。分析した高山医師によると、昨年7月の感染拡大の状況に似ているものの、当時は歓楽街で働く20代女性が中心だったが、今回は歓楽街に絞って対策を取ればよいという状況ではないため「県民の間に広がる可能性が高い」と懸念した。

 県内でも確認が相次ぐ変異株について、検出の精度を上げ、現在対象としている行政検査に加え、保険診療の検体も検査する方針を確認した。検査を担う県衛生環境研究所の国吉秀樹所長は検体を調べる目安について、陽性となった検体の3~4割に引き上げる考えを示した。