「県民の思い反映」 遺族・市民ら評価 沖縄県議会 遺骨混入土砂で意見書


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県に開発の届け出が出されている糸満市米須の土砂採掘予定地=3月17日、糸満市米須

 沖縄県議会が15日、沖縄戦戦没者の遺骨などが混入した土砂を埋め立てに使用しないことを政府に求める意見書を全会一致で可決したことに、遺族や市民からは「県民の思いをくみ取ってくれた」など評価する声が相次いだ。県が採掘業者に開発を制限する措置命令を出すよう求める声も強まっている。

 県遺族連合会の宮城篤正会長(79)は「良かったですよ」とほっとした様子で語った。遺骨収集推進法は国の責務で遺骨を収集し、遺族に引き渡すことを定める。宮城会長は「国が法律で決めたのだから、しっかり対応してほしい」と述べ、県には「どうこう言える立場ではないが、なるべくやめてほしいという命令は出してもらったほうがいい」と望んだ。

 沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松代表(67)も「民意が示された」と評価した。国はかつて戦没者遺族に「御霊石(ごれいせき)」「御霊砂(ごれいさ)」として現場の土砂を送ったとし、国による南部の土砂の基地建設への転用は「自らの行為を否定するものだ」と批判。遺族に説明責任を果たす必要があると指摘した。

 豊見城市役所前で市議会に意見書可決を求めて座り込みや署名活動をしていたトマト農家、金城博俊さん(43)は「県民の思いをくみ取ってくれた」と喜んだ。

 東京の首相官邸前で3月8日から抗議の座り込みを続ける、宜野湾市出身の金武美加代さん(47)=東京都世田谷区=は「計画をストップするためには、知事の判断が大事になる」と期待を寄せた。