含蜜糖と分蜜糖で工場設備更新に差 どちらも国の補助があるのに…なぜ?


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製糖のため搬入されるサトウキビ(資料写真)

 【東京】県内の製糖業で、黒砂糖をつくる含蜜糖工場の設備更新が一巡した一方、白砂糖の原料(粗糖)をつくる分蜜糖工場で老朽化が進み、明暗が分かれている。設備更新に充てられる国の補助率が含蜜糖は8割なのに対し、分蜜糖は6割にとどまるといった違いが影響しているとみられる。次期沖縄振興計画も見据え、県内からは含蜜糖工場と同様の高率補助導入を求める声があるが、政府は現段階で慎重姿勢だ。

 3月23日の参院沖縄北方特別委員会で、伊波洋一氏(沖縄の風)が指摘した。

 政府によると、分蜜糖工場は県内に8社9工場あるが、築年数は6年程度の伊是名島以外は築58~63年となっており、老朽化が進む。含蜜糖工場は県内に8工場があるがいずれも20年度までに新工場の整備を終えており、分蜜糖工場の整備遅れが目立つ。

 背景に横たわるのが、分蜜糖と含蜜糖での所管省庁の違いだ。

 含蜜糖は地域の特産品という位置付けがなされ、内閣府沖縄部局が担当する。設備更新には現状では、国が8割を負担する一括交付金に加え、県の補助があるものもあり、最大9割に上る。

 一方、分蜜糖は白砂糖の原料という性格があり、糖価調整制度などを所管する農林水産省の所掌だ。同省の「産地生産基盤パワーアップ事業」で設備更新を補助するが、補助率は6割だ。「当省の施設整備の補助率としては最高水準」(農水省)というが、含蜜糖工場への補助率と比べると違いがある。

 石垣市は既存メニューでは事業主体の財政負担が大きいとして、国に財政支援制度の創設を求めている。県も、次期沖縄振興計画を見据えた中間報告の中で、分蜜糖工場を対象とした国の財政支援を盛り込むなど要望が強まっている。

 沖北委で伊波氏は、工場の老朽化が進んで地域の経済に影響が出ることを懸念し「どこの省庁の所管かは霞が関の問題であり、農家には関係ない。当事者置き去りの不合理な縦割り行政の弊害だ」と指摘し、支援の拡充を求めた。

 河野太郎沖縄担当相は「今後の沖縄振興策について現時点で答えられる状態ではない」と述べるにとどめた。