津堅島のイモ病害虫を根絶 アリモドキゾウムシ 久米島に続き沖縄県内2例目


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津堅島で根絶が確認されたアリモドキゾウムシ(農林水産省那覇植物防疫事務所提供)

 農水省那覇植物防疫事務所は16日、津堅島(うるま市)で、サツマイモや紅イモの病害虫・アリモドキゾウムシの根絶が確認できたとして、28日付で植物防疫法施行規則を改正し、アリモドキゾウムシの発生地域から津堅島を外すことを発表した。県内でのアリモドキゾウムシの根絶確認は、2013年の久米島に続いて2例目となる。

 アリモドキゾウムシは、国内では主にトカラ列島(鹿児島県)から南の南西諸島と、小笠原諸島(東京都)に生息している。体長は約6ミリ。イモが食害を受けると苦みが出て、食用や飼料用に使用できなくなる。

 津堅島では2007年以降、県が不妊虫などを放って繁殖を抑制してきた。20年11月の国の駆除確認調査で生息が確認されず、専門家らの確認を経て根絶を判断した。

 根絶作業を進めてきた県は17年から、津堅島へのサツマイモなどの持ち込みを条例で規制してきたが、28日以降は国の規制に切り替わる。国の規制に反して、沖縄本島などから津堅島にイモを持ち込むと、3年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられる。

 那覇市の県庁記者クラブで会見した、那覇植物防疫事務所の津吉慶範次席植物検疫官は「再侵入警戒のため、規制を周知したい」と呼び掛けた。