公共設備の更新費を抑制 エステック社がPFI方式で独自スキームを構築


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 不動産や動産のファンド事業を手掛けるエステックアセットマネジメント(名護市、芝垣知明社長)は20日、名護市の企業集積施設「みらい2号館」のUPS設備(無停電電源装置)の更新で、自治体が初期費用を掛けずに更新作業が完了したと発表した。

 公共施設の設備投資に民間の資金やノウハウを導入するPFI(プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)方式で、独自の事業スキームを構築した。エステック社が手掛ける案件としては県内で2例目となる。

 同社によると、みらい2号館にはデータセンターなどが入居しており、電源を落とさないためのUPS設備の更新が不可欠で、約3億円の初期費用が必要となっていた。

名護市みらい2号館のUPS設備更新のプロジェクトで協力した(左から)エステックアセットマネジメントの坂本英之マネージングディレクター、琉球銀行の知念滋樹法人事業部長、沖縄ダイケンの山盛博文社長=20日、琉球新報社

 今回の事業スキームは、エステック社が管理・運営する特別目的会社「アセットファイナンス動産沖縄2号合同会社」を立ち上げ、特別目的会社に琉球銀行が融資、沖縄ダイケンが出資する形で設備を調達し、名護市に設備を賃貸する形をとった。

 行政は賃貸料として毎年の予算が平準化でき、合計費用も2~3割程度抑えられる。設備更新は沖縄ダイケンが担い、今月1日に作業が完了した。

 エステック社の坂本英之マネージングディレクターは「感染症対策関連で行政の予算が圧迫される中、老朽化した設備の維持更新で初期費用を抑えたいという潜在需要は多いと思う」と述べた。

 琉銀の知念滋樹法人事業部長は「PFIを導入したファイナンスに参加する実績ができた。今後もチャレンジしていきたい」と語った。