どこ出身?名字から始まる物語 西銘研志郎(八重山支局)


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written by 西銘研志郎(八重山支局)

 「何と読むのですか?」。県外で働いていた頃、私の名字はなかなか一度で読んでもらえなかった。電話口で名乗れば「ニシナ」さん、「ニシノ」さんなどと聞き間違えられることもしばしばあった。そのたびに私は「『ニシメ』と言います。沖縄の名前なので珍しいかもしれませんがよろしくお願いします」などと答えていた。

 昨年、琉球新報に入社し県庁を担当した。取材先で名刺を渡すと、今度は「久高島出身?」と尋ねられることが多くなった。だが私の知る限り、親類に久高住まいの人はいない。「久高に親戚はいないので、違うと思います」と曖昧に答えていた。

 そしてこの春、八重山支局に赴任した。今回のあいさつ回りでは名刺交換の場で「与那国島出身?」と聞かれることが多い。ご名答! 父親は与那国島出身だ。30年間生きてきて、名字から出自のルーツを当てられたのは、八重山に来てからが初めてだった。

 名字はその人の歴史を示す手掛かりだ。縁あって八重山地域を担当することになったが、八重山にルーツを持つ一人として、地元目線で取材をしていきたいと思う。

 八重山地域の皆さん、新しく担当します西銘です。よろしくお願いします。

(石垣市、竹富町、与那国町担当)


ゆんたくあっちゃー 県内各地を駆け回る地方記者。取材を通して日々感じることや裏話などを紹介する。