【記者解説】うるま市長に中村氏初当選 「現場主義」の手腕問われる


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花束を受け取った中村正人さん(左)=25日、うるま市みどり町の選挙事務所

 新人2氏の一騎打ちとなったうるま市長選は、前市議の中村正人氏が初当選を果たした。3期12年の島袋俊夫市政の継承と発展を望む市民の声を受け止め、支持につなげた。

 当初、中村氏は「争点が不明確な選挙だ」と述べていた。一方で照屋寛之氏は「市政の継承か刷新か」が大きな争点だとしていた。実際、新型コロナウイルス感染症の対策や経済振興、雇用問題では、両氏の政策は重なる部分も多く、「市政の継承か刷新か」という点以外では、争点を巡る議論は深まらなかった。

 うるま市誕生に伴う2市2町合併への評価で、中村氏が「高く評価する」、照屋氏が「ポテンシャルが発揮できていない」と意見が分かれた。その争点についても、今後、現市政の方向性を継続するか否かを有権者に問う選挙となった。

 その意味で今回の選挙結果は、市民が現市政の継承を選んだ形となった。照屋氏はコロナ対策など具体的な公約を掲げ選挙戦に臨んだが、政策を十分に浸透させることができなかった。中村氏は「コロナ対策が最重要課題だ」と強調し支持を拡大した。市政には多くの課題があるが、自身が掲げる「現場主義」の手腕が問われる。
 (砂川博範)

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