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トランプ氏がSNS禁止に反撃、メール配信を武器に【WSJ厳選記事】


北米

By Alex Leary
2021 年 5 月 6 日 02:35 JST 更新プレビュー

 

 2016年の米大統領選のさなか、立候補していたドナルド・トランプ氏はこう語っていた。「電子メールはあまり信じていない」。だが、今年に入りソーシャルメディアの利用を禁じられたことで、トランプ氏にとって、言い分を世に発信する上で電子メールが重要なコミュニケーション手段となっている。

 ツイッターやユーチューブ、フェイスブックへの投稿を禁じられた1月以降、トランプ前大統領は日々のニュースに関するコメントから候補者への支持表明、敵対する人物への攻撃まで、メールでぶちまけている。フェイスブックの第三者監視委員会は5日、トランプ氏による使用禁止措置を支持する判断を示し、それを恒久的措置とするかどうか半年以内に決めるよう同社に求めた。

 トランプ氏は、こうしたメールや支持者との非公式な会合で、大統領選が不正操作されたとの持論をなお展開している。選挙で広範な不正があった証拠はなく、選挙結果を覆すことを狙ったトランプ陣営や支持者らによる法廷闘争も相次ぎ敗訴に終わった。

 トランプ氏は最近、ニュースマックスと行ったインタビューで、自身のメール配信について「はるかに洗練されており、(人々に)知られてきている」と語っている。

 その上で、ツイートはリツイートの内容などが不適切であれば厄介なことになるとして、「こちら(メール)の方がツイッターよりも好きだ。われわれにとって優位な手段だ」と述べた。

 だが、内情に詳しい関係筋は、一度に数千万人に訴えることが可能だったかつての状況とは異なり、メールの配信先は狭く、スピードも鈍いと語る。これまでトランプ氏のあらゆる発言に飛びついていた報道各社も、より選別するようになっている。議員からは、連発されるツイートにいちいち反応せずに済むようになったことでほっとしているとの声も聞かれる。

 スポークスマンは電子メールのリスト対象者数についてコメントを控えた。

 トランプ氏はこれまで、自身のソーシャルメディアを立ち上げる可能性をちらつかせている。同氏のウェブサイトは4日、トランプ氏のコメントをツイッターやフェイスブックで共有できるボタンがついたセクションを追加した。トランプ氏のスポークスマン、ジェイソン・ミラー氏はツイッターで、サイトについて「新たなソーシャルメディアプラットフォームではない。この件に関しては近く追加情報を提供する」と述べている。

 トランプ氏はニュースマックスやワン・アメリカ・ニュース・ネットワーク、Foxニュースなどのインタビューにいくつか出演しているほか、ポッドキャストやラジオ番組にも登場している。先週には、保守派司会者のダン・ボンジーノ氏に対し、選挙運動のような集会の再開を計画していると明らかにしたほか、2024年の再出馬をにおわせる発言も行った。

 関係者らによると、トランプ氏はフロリダ州にあるトランプ氏の別荘「マールアラーゴ」でニュースをつぶさに追っているほか、政治アドバイザーらとも定期的に協議している。トランプ氏の支持を得ようと、これまで数々の候補者がフロリダを訪問。トランプ氏の登場を期待して、マールアラーゴで資金集めのイベントを行う者もいる。

 トランプ氏のメールは、同氏の公式オフィスか、政治活動委員会(PAC)である「セーブ・アメリカPAC」を通じて配信される。メールはツイートが長くなったような内容で、大文字や感嘆符の連発、自身の実績を誇示する発言やライバルへの攻撃といった「トランプ節」は健在だ。

 4月2日には「2020年の選挙不正について話題になると、フェイクニュースメディアは、なぜそのような主張は根拠も裏付けもないなどと必ず報じるのか?」と嘆いている。

 メール配信作業に詳しい関係者2人によると、トランプ氏はメールの内容をスタッフに伝え、スタッフが見直した上で配信する。トランプ氏は印刷された写しを受け取り、時には手直しすることもあるという。

 メールの一部はニュースになったものもある。1月6日の連邦議会議事堂占拠事件に絡み、トランプ氏の言動を批判していたミッチ・マコネル上院院内総務(共和、ケンタッキー州)に対する攻撃などが一例だ。ツイッターで禁止されているにもかかわらず、トランプ氏の発言は、別のユーザーの投稿によって閲覧できる状態になっていた。

 共和党幹部のリズ・チェイニー下院議員(ワイオミング州)やミット・ロムニー上院議員(共和、ユタ州)、ジョン・ボルトン元大統領補佐官(国家安全保障担当)なども、トランプ氏の標的に頻繁に上がっている。

 ただ、フェイスブックの決定にかかわらず、トランプ氏はツイッターの恒久的な禁止措置について、もう気持ちを入れ替えているようだ。3月下旬にはFoxニュースに対しこう述べている。「非常に退屈なものになった」




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