基地隣接の土地所有者 沖縄関連は1万850人、外国人の所有者なし 防衛省調査


社会
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 【東京】防衛省が2013~20年度に全国約650の自衛隊や米軍基地の隣接地を対象に、不動産登記簿を基に土地所有者を調べた結果、7万8920人の所有者がおり、うち外国人は7筆にとどまったことが分かった。このうち沖縄関連は13・7%に当たる1万850人の所有者が確認され、外国人所有者はいなかった。

 今回の調査対象に、普天間飛行場など既に返還が合意されている米軍施設は含まれておらず、県内の所有者はさらに増えるとみられる。政府は防衛施設周辺の土地利用を規制する法案の成立を目指しているが、沖縄は、法律の規制範囲に含まれる対象者の割合が高いことが数字で示された。

 防衛省から調査結果の報告を受けた赤嶺政賢衆院議員(共産)が7日、明らかにした。

 調査は、防衛省が不動産登記簿や商業登記簿を得て実施した。自衛隊施設は13~20年度、米軍施設は15~20年度に実施した。

 調査によると、県内は自衛隊の23施設(航空自衛隊那覇基地の奄美大島分屯基地、沖永良部島分屯基地を含む)で4千人、米軍9施設で6850人の隣接地所有者が確認された。

 政府が今国会に提出した防衛施設周辺の土地利用を規制する法案は、注視区域に指定できる範囲を防衛施設から1キロ以内と規定している。隣接地のみを調べた今回の調査に比べ、対象となる数が大幅に増えることが見込まれる。

 一方、法案で所有者情報の調査対象となる区域指定は、法の成立後に政府が審議会の意見を踏まえて決めることとなっている。赤嶺氏は「審議の前提隠しだ。立法事実がなく、廃案にすべきだ」と語った。