松山英樹選手が米ゴルフ、マスターズ・トーナメントで優勝するという偉業を成し遂げた。米ゴルフ界の殿堂ジョージア州オーガスタ・ナショナル・ゴルフ・クラブでの、最大トーナメント「マスターズ」と、キャディーの話をロサンゼルス・タイムズが報じている。同記事は松山選手が優勝する前日の4月10日に掲載された。
あまり知られていないが、1983年までマスターズのキャディーはすべて黒人だった。ジャック・ニクラウス選手はマスターズで6回優勝しているが、5回目までのキャディーはウイリー・ピターソン氏という黒人だった。1995年、19歳のタイガー・ウッズ選手のキャディーも黒人だったが、最近は彼らのほとんどが姿を消して、現在はどこに行ったか知られていない。
ジョージア州は「風と共に去りぬ」の発祥地。マスターズに初めて黒人会員が入るのは1990年、女性会員は2012年で、つい最近のこと。その歴史はほとんど白人中心だった。
松山選手のキャディー早藤将太さんの取った行動が高く評価されている。彼は松山選手の優勝が決まった瞬間、その場で帽子を取り、観衆に深々と頭を下げたのだ。彼の取ったその行動は、アメリカでアジア系住民へのヘイト・クライムが激しい中、「ゴルフへの深い愛と感謝、リスペクト(尊敬)を感じて涙が出た」と賛辞を贈った、アメリカの新聞社の報道もあり、関係者に安堵(あんど)感を与えた。
(当銘貞夫、ロサンゼルス通信員)