沖縄、連休の影響じわり コロナ感染103人、日曜2番目の多さ


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 大型連休の影響とみられる新型コロナウイルスの感染事例が沖縄県内で出ている。103人の新規感染者が出た9日は、友人・知人から5人、飲食で4人の感染が明らかになった。変異株が県内でも拡大する中、活動が活発な20代、30代の感染者は増加傾向にある。県はまん延防止等重点措置を今月末まで延長して抑え込みを図るが、感染拡大の火だねはくすぶっている。

 県内の累計感染者数は9日で1万3千人を超えた。1万2千人から1万3千人になるのに要した期間は15日間。1万1千人から1万2千人の間は10日間だったので、感染者の増加は鈍化したようにも映る。だが、9日の新規感染者数は日曜日としては過去2番目の多さの103人だった。中部保健所管内の高齢者施設で35人の感染者が判明し、新たなクラスター(感染者集団)となる恐れも出ている。

 厚生労働省にビッグデータなどを提供する「Agoop(アグープ)」(東京)の分析によると、大型連休終盤の5日は、1回目の緊急事態宣言中の前年と比べ、沖縄都市モノレール那覇空港駅の人出が前年同月比で219・7%増加した。ほかのモノレール駅でも軒並み人出が増加した。

 県内では、ワクチンの効果が低下する可能性が指摘される変異株「E484K」や、感染力の強い変異株「N501Y」が拡大し、従来株と置き換わったとの指摘もある。ワクチン接種が進まない中、変異株という新たな驚異への対応も迫られている。

 玉城デニー知事は9日の会見で「(まん延防止措置に伴う新規感染者の)減少幅は、1月に県独自の緊急事態宣言を発出した際より小さい。(変異株拡大により)再び感染の急拡大に結びつかないか、危機感を持たないといけない」と語った。