宮古島市への陸上自衛隊配備計画の受け入れを表明し、同市上野野原のゴルフ場・千代田カントリークラブ(CC)所有の土地を国に売却できるよう、便宜を図った見返りに現金約650万円を授受したとして、県警捜査2課は12日、収賄の疑いで前宮古島市長の下地敏彦容疑者(75)を、贈賄の疑いで当時の千代田CC社長(64)を逮捕した。捜査2課は「捜査に支障が出る」として、両容疑者の認否を明らかにしていない。
捜査関係者によると、任意捜査の段階で両容疑者は金銭授受の事実関係を認めていたが、敏彦容疑者は便宜を図った見返りではないという趣旨の供述をしていたという。
千代田CCに建設された駐屯地の面積は約22ヘクタール。防衛省の用地取得金額は約7億9千万円だった。同省は千代田CC側と17年8月末に国有化に同意する文書を交わしていた。県警は防衛省や陸上自衛隊など国への売却に関連して、敏彦容疑者からの口利きや働き掛けがなかったかどうか、引き続き慎重に捜査を進める方針だ。
逮捕容疑は2018年5月24日ごろ、千代田CC所有の土地を国に売却できるよう便宜を図ったことに関し、その謝礼として両容疑者が東京都内で現金約650万円を授受した疑い。
当時の宮古島市長日程によると同日、敏彦容疑者は東京出張への移動日だった。
敏彦容疑者は2009年から21年まで宮古島市長を務めた。陸自駐屯地配備が争点となった17年の市長選では容認の立場で当選した。
現職時は保守系市長でつくる「チーム沖縄」の会長も務めていたが、21年1月の同市長選で落選した。
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