国際
ウォール・ストリート・ジャーナル厳選記事

建築業界に新風を バフェット氏傘下新興企業の試み【WSJ厳選記事】


世界の高級不動産



By Konrad Putzier
2021 年 5 月 19 日 02:28 JST 更新プレビュー


 著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる米バークシャー・ハザウェイ傘下の新興企業が、建設業界を自動車業界のように変革しようと試みている。

 その企業は建設技術を手掛ける米ミズーリ州のミテック(MiTek)社。同社はニューヨーク市の建築事務所ダニー・フォスター&アーキテクチャーと組み、モジュラービルディングの新たなベンチャー事業に乗り出している。ホテルやアパートの建物向けに部屋を丸ごと組み立て、それを建設現場に運んで積み上げる計画だ。

 従業員数6000人超のミテックは建築部材や建設ソフトウエアに加え、エンジニアリングなどのサービスを提供している。モジュラーベンチャー事業に数十億ドルを投じており、初回プロジェクトは来年初めに着工予定だという。

 モジュラー建設は目新しいものではないが、収益化する上で複数の企業が苦戦している。部屋を丸ごと現場に輸送すれば高くつく可能性がある上、完工した建物で雨漏りした例もある。

 建設プロセスを合理化する他社の試みでも問題が発生している。シリコンバレーの新興企業カテラは建設の大部分を工場で処理し、配管工や建築事務所などの中間業者を排除したワンストップショップになることを目指している。だがこの事業モデルは難航し、主要出資者であるソフトバンクグループによる救済を仰がざるを得なくなった。

 ミテックはゼネコンに組み立てを要請することで、モジュラー建設を近代化しようとしている。工場で部屋全体を製造して現場に運ぶ代わりに、建築部材のセットに説明書をつけて出荷したい考えだ。

 ゼネコンは建設現場近くの倉庫などで、受け取った部材を使って部屋を組み立てることになる。

 事業を後押しする向きは、難題がある中でも企業がモジュラー建設に投資し続けていることは、事業モデルの将来性を物語っていると指摘する。建設業はコスト上昇と非効率性に悩まされている巨大産業だ。業界関係者の間では、かつてヘンリー・フォードが自動車製造業を変革したように、建設業界の自動化に成功すれば巨額の利益を手にすることができるとの見方がある。

 ミテックのアプローチには課題もある。説明書に基づく部屋の組み立てを顧客に依存するのは難しいかもしれない。ゼネコンの多くは変化に抵抗するため、摩擦や間違いが発生する可能性もある。

 ミテックのモジュラー建設担当バイスプレジデント、トッド・ウロム氏はゼネコンで30年余り働いた経歴の持ち主だが、多くの下請け業者の代わりに単一のサプライヤーに頼ることでリスクが軽減されると指摘。説明書は簡単で分かりやすいと語った。ミテックは現場のトレーニングも提供するつもりだという。




(c) 2021 Dow Jones & Company, Inc. All Rights Reserved Worldwide.


■ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)について
琉球新報デジタルサービスWSJ特設ページ-琉球新報WebNews購読会員なら追加料金なしに米最大の日刊経済紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)オンラインが購読できます

 



関連するニュース








  • お知らせ


  • 琉球新報デジタルサービス



  • 会員制サービス






  • 他のサービス