指導は元五輪代表・平良教諭…嘉手納・重量挙げ急成長 1年で部に昇格 高校総体


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シドニー五輪女子53キロ級に出場した平良真理教諭(手前2人目)から指導を受ける生徒たち=15日、同校

 県高校総体が29日から本格的に開幕する。ことしは全国高校総体の2年ぶりの開催が予定されており、全国への切符を懸け、県内の高校生アスリートが大会に臨む。緊急事態宣言下で無観客での開催となったが、選手たちは最高のパフォーマンスを発揮することを誓う。

 新進の嘉手納高ウエイトリフティング部が、県高校総体で学校対抗戦、女子の初優勝に闘志をたぎらせている。昨年度、同校に赴任した平良真理教諭が同好会を立ち上げ、わずか1年で部に昇格。現在、女子部員のみ7人で活動しており、女子としては県内最多の部員数を誇るまでになった。ほぼ全員が高校まで競技未経験の初心者だが、元オリンピアンで、今も日本代表選手団の指導に携わる平良教諭の下、めきめきと実力を伸ばしている。

 平良教諭は、2000年のシドニー五輪から正式種目として採用された女子重量挙げで、初めて日の丸を背負った一人。昨年度、嘉手納高に着任してすぐ同好会を立ち上げた。当初は練習場所もなく「機材の調達とか練習場所確保とか大変だった」と振り返る。

 シドニー五輪で競技に臨む平良教諭の映像を見て、重量挙げを始めたという宮城瑚子主将は「偉大な先生に教えてもらっている。助言が的確で、すごく楽しい」と競技にのめり込む。同好会が発足した時から在籍し、今はエースを担うまでになった。昨年の県高校新人大会の59キロ級で優勝すると、九州高校選抜で6位に入賞するなど実力は折り紙付き。「練習した分だけ記録が伸びる。部員も増えてきて、みんなで競い合っている」と県総体での自己記録更新と、表彰台を狙い汗を流す。期待の1年生、山里美月は豊見城市から通学する。「真理先生に指導してもらいたくて嘉手納に入学した」と言う。中学生の時から指導を受けており、初めて迎える高校総体に胸を躍らせている。これまでの階級の59キロ級から、一つ上の64キロ級に出場予定で「64キロは人数がたくさんいるので他校の選手と競えるのが楽しみ」。自信をみなぎらせ、県総体でのデビューへ気概にあふれている。  (上江洲真梨子)