沖縄県が医師ら確保要請 大規模接種 医師会は協力方針


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県医師会の安里哲好会長(右)に「県広域ワクチン接種センター」への協力を求める要請書を手交する玉城デニー知事=31日、南風原町の県医師会館

 玉城デニー知事は31日、南風原町の県医師会館に県医師会の安里哲好会長を訪ね、「県広域ワクチン接種センター」の設置に向け、医師や看護師の確保とセンター運営全般への協力を要請した。安里会長は「医療界一同、一致団結して推進に当たりたい。高齢者のワクチン接種を進めることが医療現場の負担軽減にもつながる」と述べ、県に協力する考えを伝えた。

 県広域ワクチン接種センターは、重症化リスクの高い高齢者へのワクチン接種を加速させるため、県が宜野湾市の沖縄コンベンションセンターと那覇市の県立武道館アリーナ棟に設置する。設置期間は6月中旬から8月末で、接種時間は平日午後6時~9時、休日午後3時~9時。最大で平日に500人、休日に千人で、7万2千人の接種を予定している。

 県は県医師会に対し、2会場で医師計10人、看護師計25人の確保を求めている。主に県立や民間の病院からの、医師や看護師の派遣を予定しているという。

 安里会長は「ここ数週間で入院患者がすごく増え、各医療機関は厳しい。入院患者の4割強は高齢者。高齢者へのワクチン接種は入院患者を減らすということで、すごく大切だ」と述べた。玉城知事は「(県民から)『週末であればお父さん、お母さんを接種に連れて行きたい』という声を聞いている。(高齢者に)早くワクチン接種をしていただければ、精神的な不安は和らぐのでは」とおもんぱかった。

 医療従事者や高齢者など以外への接種の優先順位は、実施主体の各市町村長が判断できるとする国の方針を改めて説明。県として、市町村を補完する役割を果たすとの考えを示した。