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鳥インフル「H10N3型」初のヒト感染 早わかりQ&A【WSJ厳選記事】


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中国で男性がH10N3型に世界初感染、何が起こっているのか




2021 年 6 月 3 日 17:06 JST 更新プレビュー


 中国の国家衛生健康委員会は、41歳の男性が鳥インフルエンザ「H10N3型」に感染し、4月下旬から入院していることを明らかにした。同委員会によると、H10N3型のヒトへの感染が報告されたのは世界初。男性は4月23日に発熱などの症状を発症し、5日後に江蘇省の病院に入院した。同委員会は1日、男性の健康状態は安定しており、退院間近だと述べた。

男性はどのようにして感染したのか

 国家衛生健康委は、男性がどのようにしてウイルスに接触したのか、詳細を明らかにしていない。鳥インフルエンザのヒトへの感染は、養鶏業者など家禽(かきん)類と日常的に密接に接触している人の間で確認されるケースが最も一般的だ。同委員会は、病気や死亡した家禽(かきん)との接触を避けるよう市民に勧告した。

鳥インフルエンザでヒトが死ぬことはあるのか

 鳥インフルエンザで人間が死亡する場合もある。世界保健機関(WHO)によると、H5N1型などの高病原性株は死亡率が約60%にも達する。しかし、鳥インフルエンザの鳥からヒトへの感染はまれだとWHOは述べている。

中国で鳥インフルエンザの流行はよくあるのか

 中国では、これまでに何度か鳥インフルエンザが流行している。昨年の新型コロナウイルス流行のピーク時にも、中部湖南省でH5N1型鳥インフルエンザにより4500羽の鶏が死亡。当局はさらに約1万8000羽の鳥を殺処分した。

 5月には中国農業省が、H5N8型鳥インフルエンザによりチベットで数百羽の野鳥が死亡したと発表。当局は国立湿地公園を含む周辺地域を消毒した。

当局は懸念しているのか

 中国は、大規模流行のリスクは極めて低いと述べている。地元の保健当局が接触者の追跡調査とモニタリングを行ったが、他の感染例やヒトからヒトへの感染は確認されなかったという。また、H10N3型にはヒトに効果的に感染する能力はないとしている。

専門家の意見は

 米マウントサイナイ・アイカーン医科大学のアドルフォ・ガルシアサストレ教授(微生物学)は、鳥インフルエンザウイルスのヒトへの感染はまれだが、一般的でないわけではないと話す。

 同教授は「今回の感染は、鳥インフルエンザウイルスにヒトが感染したまれな事例の一つにすぎず、それ以上の影響はない可能性が非常に高い」とした上で、「とはいえ、これがあくまでもまれな孤立した事例であることを確認することが重要だ」と述べた。

今回の鳥インフルエンザの感染例について中国は率直か

 中国は、ゲノム解析により、男性がH10N3型に感染していると5月28日に断定したと述べた。この結果については1日に声明を発表した。

 中国は、コロナ・パンデミック(世界的大流行)の初期段階で透明性に欠けていたと批判されているものの、2003年に重症急性呼吸器症候群(SARS)が流行して以来、同国の公衆衛生当局は概して透明性を高めているとみられる。SARS流行では、当局者の秘密主義が対応を妨げることになった。




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